夏至の日に朝日と富士山が重なる二見興玉神社(伊勢市二見町)の「夫婦(めおと)岩」の大しめ縄の張り替え神事が5月5日、同神社境内で行われた。
【その他の画像】夫婦岩にとぐろを巻いて守る龍のごとく、大しめ縄張り替え
境内に居合わせた参拝者と協力し合いながらしめ縄が送られている様子は、太く編まれたしめ縄が龍のようにくねくねと動き回り、とぐろを巻いて夫婦岩に鎮座したように見える。氏子や職員ら約20人が、送られた5本の縄を手際よく巻き、きれいに整えた。
同神社禰宜(ねぎ)の稲垣年(みのる)さんは「熊本や大分で起こった地震で多くの人が被害にあった。これ以上被害が拡大しないように、多くの人が安心して暮らせるように、早期復旧を心から願っている。夫婦岩に架けられた新しいしめ縄のように固い絆で結ばれ安定するように」と話す。
しめ縄は、1本約35メートル、太さ10センチ、重さ約40キロで、5本のしめ縄を渡して男岩(おいわ)と女岩(めいわ)を結ぶ。毎年5月5日と9月5日、12月の3回「大注連縄張(おおしめなわはり)神事」が行われる。男岩と女岩に架かるしめ縄は、夏至の日前後に夫婦岩の真ん中から現れる太陽神の朝日、霊峰富士山を仰ぎ、鳥居の役割を果たしていると言われている。
同神社では、太陽が最も北寄り(左側)の位置から現れる夏至(今年は6月21日)の日に、日の出予定時刻の4時40分に夫婦岩の前の海でみそぎを行う「夏至祭」が開かれる。昨年の夏至祭では、夫婦岩の間から朝日と富士山が重なった。