主要国首脳会議「G7伊勢志摩サミット」開催まであと2週間と迫った5月12日の夜明け前、伊勢志摩の海岸から標高3776メートル日本最高峰の富士山の頂上(サミット)がくっきりと観測できた。伊勢志摩から富士山までは直線距離で200キロ以上離れている。
会議終了後の27日に、バラク・オバマ米大統領が安倍晋三内閣総理大臣と共に広島を訪問すると報じられ注目が集まっている「伊勢志摩サミット」。バングラデシュ人民共和国、チャド共和国、インドネシア共和国、ラオス人民民主共和国、パプアニューギニア独立国、スリランカ民主社会主義共和国、ベトナム社会主義共和国の首脳たちも参加するアウトリーチ会合も行われる予定だ。
この日、カメラマンの泊正徳さんは早朝4時30分ごろ、志摩市阿児町安乗(あのり)の海岸から富士山を撮影。富士山は、1707の噴火でできた標高2693メートルの宝永山から山頂までが水平線の上に現れた。冬場の寒い時期の早朝に多く観測できる富士山だが、200キロ以上離れているため気温が上昇すると空気中に水蒸気が発生するため視界を阻む。この日は前日に雨が降り気温が低下し、風も吹いていたため好条件が整った。春に富士山が見えるのは非常に珍しい。
泊さんは「いよいよ伊勢志摩サミットまで2週間となった。この自然豊かな伊勢志摩の地にG7の首脳たちが一堂に集まることは素晴らしい。世界の平和につながる実り多き話し合いがなされ、よりよい社会になることを祈っている。サミットの成功を富士山に祈願した」と話す。
今年6月21日の夏至の日には二見興玉神社(伊勢市二見町)で日の出予定時刻(4時40分ごろ)に合わせて夫婦(めおと)岩の前の海でみそぎを行う「夏至祭」が開かれる。条件が重なれば朝日と富士山が夫婦岩の間から現れる。