今年5月に開催されたG7伊勢志摩サミットでメイン会場となった賢島を俯瞰(ふかん)して見ることができる横山展望台(志摩市阿児町)がサミット後、観光客でにぎわっている。特に団体客の数は前年度比で4倍以上と急増している。
【その他の画像】横山展望台から見た英虞湾(安倍昭恵総理夫人視察時)
伊勢神宮の森からつながる横山の標高は203 メートル。「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に英虞湾や賢島と同列の1つ星の評価を得て、それほど高くないが入り江や島々の風景が美しいリアス海岸・英虞湾が正面に広がるため人気の観光スポットとなっている。その中央に伊勢志摩サミットで会場となった志摩観光ホテル(同)クラシックとベイスイートの建物も見ることができる。
環境省が管理する同展望台入り口にある「横山ビジターセンター」(同)への入館者は、サミット開催が決定してからは増加傾向で、昨年度1年間の入館者数は一昨年の約2倍となる2万9212人(個人1万9823人、団体9389人)が訪れた。今年度4月からの入館者数は9月27日までで2万4000人を超え、9月の入館者だけで1万人に迫ろうとしている。サミットが開催された5月は警備強化などが影響し、さすがに前年度を割ったが、それ以外の月では昨年度の数字をはるかに超えている。7月に関しては前年度比で10倍以上。
同センター所長の伊藤芳正さんは「安倍総理が昨年6月にサミットを伊勢志摩で開催すると発表してから入館者は増えている。特に観光バスで来る団体客の増加が顕著で、その増加率は3倍になった。本年度はそれを軽く超す勢い。数字はあくまでもこのセンターへの入館者数を出しただけなので、展望台を訪れた人の数はこの3倍から4倍に成っているのでは」と説明する。
一方、展望台まで登る道路が狭く大型観光バスは展望台入り口で観光客を降ろさざるを得ない。観光客は坂道を約500メートル登って展望台まで行かなければならないが、それでも息を切らしながら10分以上自力で展望台まで登っている。
伊藤さんは「このまま横山展望台の人気が衰えないようなら、道路問題をクリアしていかなければならないと、現在話し合っている。今年は伊勢志摩国立公園指定70周年なので、これを契機にさらに注目される地域にしていくことができれば」とも。