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来年4月から伊勢で大麻栽培 皇學館大学理事長が「伊勢麻振興協会」代表理事に

来年4月から伊勢で大麻栽培 皇學館大学理事長が「伊勢麻振興協会」代表理事に(写真は左から皇學館大學の新田均さん、生産会社代表の松本信吾さん、生産者の谷川原健さん、同大学常務理事の山口建史さん)

来年4月から伊勢で大麻栽培 皇學館大学理事長が「伊勢麻振興協会」代表理事に(写真は左から皇學館大學の新田均さん、生産会社代表の松本信吾さん、生産者の谷川原健さん、同大学常務理事の山口建史さん)

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 日本古来の麻文化を見直し復活させようと活動する「伊勢麻振興協会」(伊勢市神田久志本町)は11月4日、皇學館大学(同)理事長の佐古一洌(かずきよ)さんが同協会の代表理事に就いたと記者発表した。

【その他の画像】神事で使われる精麻(せいま)

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 2014年12月に設立された同協会は、麻栽培業者の急激な減少による国産麻の生産量の減少、それに伴う価格高騰、粗悪で安い外国産の流通など複合的な問題によって日本古来の麻文化が消滅しようとしている現状を憂い、危機を打破しようと大麻の重要性と誤解を広く訴えている。

 記者発表では、伊勢麻の栽培を目指す農業法人「あさって」(準備中)代表の松本信吾さんが同会の改組、大麻、国産の大麻生産の現状、覚醒作用のある大麻(マリフアナ)と神事などで使う大麻(ヘンプ)の違い、来年4月に伊勢市内で大麻栽培を目指すことなどについて丁寧に説明した。

 代表理事以外の改組は、同大学常務理事の山口建史(たてふみ)さん、同大学現代日本社会学部・学部長で教授の新田均さん、三重県神社庁(津市鳥居町)庁長で多度大社(桑名市多度町)宮司の塚原徳生さんが理事、赤福(伊勢市宇治中之切町)会長で同大学理事、三重ニュービジネス協議会(伊勢市朝熊町)会長の濱田典保さんが監事、猿田彦神社(伊勢市宇治浦田)宮司の宇治土公貞尚さん、磯神社(伊勢市磯町)宮司の上野和美さん、日本麻振興会(栃木県鹿沼市)会長の大森由久さん、神社仏閣用麻製品調整会社・山川(京都市中京区)代表の山川正彦さん、三重大学(津市栗真町屋町)副学長の西村訓弘さん、三重県庁(津市広明町)農林水産部の中西正明さん、伊勢市役所(伊勢市岩渕)情報局局長の中川芳明さん、内閣総理大臣夫人の安倍昭恵さんが顧問で就いた。

 松本さんは「神事には、古来から穢(けが)れをはらうために大麻『精麻(せいま)』が使われている。戦後までは全国どこでも栽培していたが、GHQによって覚醒成分がほとんどない日本産大麻(サッティバ種)も覚醒成分が多い外国産大麻(インディア種)も同じ括りで薬物乱用防止のため全面的に栽培を禁止した。そのことが今日まで誤解を生んで『大麻=マリフアナ』というイメージが定着してしまった」と話す。

 塚原さんは「毎年行われる三重県無形民族文化財の指定も受けている当社の伝統的な神事の多度祭『上げ馬神事』の馬に付ける手綱や鞍には、大麻が欠かせない。品質の高い国産の新しい精麻を使わなければすぐに切れて落馬する危険がある」と話す。

 松本さんは「少なくとも、神事で使われる大麻・精麻が全て国産で賄われるようになることを目標に取り組んでいきたい。そのためにもまずは現行の大麻取締法を遵守し、伊勢麻振興協会が徹底した大麻の生産管理を行い、販売ルートについても協会で一元管理する。その結果、国産大麻の生産量を増やして価格を抑制することができれば」と意欲を見せる。

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