鳥羽商工会議所(鳥羽市大明東町1、TEL 0599-25-2751)は、やまとたちばな(大和橘)の果汁を使ったアイスクリームを商品開発した。
やまとたちばなは鳥羽市の「市の木」に指定されており、ミカン科ミカン属の常緑低木。初夏に香りのある白い花をつけ、11月から12月に実をつけるミカンの原種と考えられているが、果実は酸味が強く食用には不向きであったため、これまで原材料として注目されていなかった。
同会議所内「料飲土産庶業部会」では、県天然記念物に指定されている原木がある同市答志島・桃取町のやまとたちばなに着目、地域のブランドとして商品化できないかと2003年から研究している。これまでの試作品は和菓子や洋菓子など。同品は、柑橘系本来の酸味を生かしたさわやかな味に仕上がっているのが特徴。「手づくり工房きらり」(鳥羽市鳥羽1、TEL 0599-25-1372)で8月3日から8月31日まで、期間限定で販売している。
やまとたちばなの2005年度の収穫量は約130キロ(うち果汁として約30リットル)で、原材料の絶対量が少ないのが今後の課題となっている。同市農林水産課では現在数千本の苗木を育成し、同会議所とともに収穫量を増やす努力もしているという。
そのほか、京都の香老舗「松栄堂」(京都市中京区烏丸通)に果皮を利用した商品開発を依頼しており、年末には匂い袋などの香り製品も出来上がる予定。