伊勢出身の女性サックス奏者、YUCCO MILLER(ユッコ・ミラー)さんが12月15日、「ザ・グレン・ミラー・オーケストラ」(以下、GMO)のステージに立った。
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ユッコ・ミラーさんは、皇学館高校(伊勢市)1年の時に友人の薦めで入部した吹奏楽部で初めて吹いたサックスの音に「ビビビ」と来て、プロになることを決意。チック・コリア・エレクトリック・バンドのサックス奏者エリック・マリエンサルさんに師事し、ジャズ専門サイト「JazzPage」主催の2013年ジャズ人気投票でサックス部門1位に輝いた経歴を持つ。今年9月に自身のファーストアルバム「YUCCO MILLER」(キングレコード)をリリース。ピンクのヘアスタイルにミニスカート、ゆったりとしたトークとパワフルな演奏で人気を博している。
1937年、トロンボーン奏者のグレン・ミラーによって結成されたGMOは、約80年たった今でも世界中で愛されるビッグバンド。「イン・ザ・ムード」「ムーン・ライト・セレナーデ」「タキシード・ジャンクション」など数多くの名曲は今でも多くのミュージシャンが演奏する。
三重県文化会館(津市)大ホールで行われた同コンサートは、GMOジャパンツアーの三重公演。ユッコさんは同コンサートにアルト・サックス奏者としてゲスト出演した。ユッコさんの過去のエピソードが発端となって、さまざまな人のつながりから奇跡的に実現したという。
ユッコさんは高校3年生の時、伊勢にやってきたGMOのコンサートを観客席から見ていた。コンサート後メンバーが乗るツアーバスの前で出待ちし、持参したサックスをメンバーの前で吹いた。メンバーから「明日からのツアーに参加しないか?」と誘われたが、ユッコさんは「明日学校があるから行けない…」と断った。
高校3年の時に断ったGMOとの共演は、11月25日に神奈川県相模原市で行われたコンサートが初めてで、今回は実質2回目となる。この日、ユッコさんはステージで「IN THE MOOD」「CHEROKEE」「PUDDLE WUMP」の3曲に参加。ユッコさんは「あこがれのGMOとのコンサート。神奈川では緊張したけど、三重は生まれ育ったところなのでリラックスできた。2回目ということもありとても楽しめた。演奏している時は、音楽に夢中でそれ以外のことを考えていなかった。高校3年の時の夢が形になった」と話す。
GMOのミュージックディレクターを務めるニック・ヒルシャーさんは「伊勢でのコンサートの後、女子高生がサックスを吹いていたのを覚えている。とても情熱的だった。その時の彼女がユッコだったとは驚いた。当時撮った写真には私も写っている」と当時を振り返る。「今回ゲストとして参加してもらうのに、通常はゲストに合わせて曲をアレンジするが、彼女は私たちの曲を練習して完璧にマスターしてきたのでアレンジする必要がなかった。素晴らしい演奏だった」と称賛する。