伊勢神宮内宮(ないくう)の門前町として今でも賑わいを見せるおはらい町周辺のまちづくりを行う「伊勢おはらい町会議」(会長=前田世利子さん)が12月23日、観光客や地元の人約2000人につきたての餅を振る舞った。
五十鈴川の左岸、新橋下で行われた「餅つき大会」は1994年から始まり、今回で23回目。「昔から続けられている日常の歳時記を守っていきたい」という思いから毎年年末に開催。一方多くの観光客が訪れる地域であることから「災害時の炊き出し訓練」という位置づけでも取り組んでいる。
この日は、杵と臼を使った昔ながらのつき方で、15臼の餅をつき、冬至に合わせてカボチャやアズキのあん、きな粉、ダイコンおろしなどで味を用意、ユズの香りのすまし汁も合わせて振る舞った。1年間の感謝を込めて、伊勢神宮内宮(宇治館町)、猿田彦神社(宇治浦田)、同地区の氏神でもある宇治神社(宇治今在家町)へそれぞれ約30センチの鏡餅を奉納した。
同会議メンバーは「準備から配布までの流れを行事を通して日常の出来事として身に付けていきたいと考え、地域の大人と子どもが協力しながら取組んでいる。今年は3連休とよい天気に恵まれ多くの人が来てくれたので、例年なら子どもに餅をついてもらったりしてふれあいの時間も取るが、ずっと餅をついていないと間に合わない状態だった。防災訓練としての位置付けもしっかりメンバーに根付きみんなで楽しく行事を終了することができた」と話す。