志摩でサトウキビ作りに挑戦している「よこやま」(志摩市阿児町、TEL 0599-43-5888)が現在、隼人芋の茎(芋づる)を使ったきゃらぶき風つくだ煮の商品化に取り組んでいる。
【その他の画像】志摩市商工会「きんこ」に関連する商品開発事業
同社は、熱帯や亜熱帯地方で栽培されるサトウキビを温帯地方の伊勢志摩で栽培しようと2011年に着手。初年度石垣島から100本の苗を取り寄せ植えたサトウキビは本年度4トン分を収穫した。
同社社長の西村悦子さんは「サツマイモの茎はほとんど未利用だったので、少しでも活用できればと思い取り組んだ。志摩の特産品である干し芋『きんこ』に使うハヤトイモの茎も同じように捨てられていたので何とかしたいと思ってつくだ煮にしてみた。ハヤトイモの茎はサツマイモよりも柔らかいのでキャラブキのような食感で、とてもおいしい」と話す。
現在、志摩市商工会(同)が手掛ける「平成28年度地域力活用新事業∞(むげんだい)全国展開プロジェクト」で「きんこ」に関連する商品開発事業を進めている。上田商店(同)の「伊勢志摩 謹製きんこ芋」(最高品質の丸干しハヤトイモのきんこを万古焼の器に入れた商品)、菓子工房シマヤ(同志摩町)の「伊勢志摩 隼人芋プリン」(卵を使わず芋蜜、牛乳、和三盆で作ったプリン)と合わせて「里山の佃煮「(プレーン味、アオサ味、山椒味の3種類)として、ハヤトイモ「きんこ」関連の商品化を目指している。
西村さんは「当初、茎が伸び出したばかりのものを使ったら柔らかすぎて煮込んだらドロドロに溶けてしまった…。何度かの試行錯誤の結果、利八屋(伊勢市朝熊町)さんに加工していただいて、おいしいものが完成した。茎の収穫の仕組みなどまだまだ決めなければならないことはたくさんあるが商工会と一緒に取り組んでいきたい」とも。
今年の秋ごろの販売開始を目指す。