志摩市阿児町甲賀の海で4月21日、体重2.33キログラム、体長38.5センチメートルの巨大伊勢エビが伊勢エビ漁の網にかかった。体重2.04キログラム、体長38センチメートルだった日本記録を更新した。
捕まえたのは若手漁業者育成支援などをしながら自らも海女漁や伊勢エビ漁を営む漁業者の石神昭年さん。石神さんは45歳で高校入学し、50歳で通信制高校を卒業するなどで注目を集めた。
三重県水産研究所(志摩市浜島町)の研究員で伊勢エビに詳しい土橋靖史さんは「計測した結果2.33キログラムは間違いなく日本一。1キログラム以上の伊勢エビで20年以上かかると言われている」と説明する。
魚の生態に詳しく、伊勢志摩の自然豊かな環境を使った体験型プログラムなどを提供する「伊勢志摩里海学舎」(志摩市阿児町)の今泉久祥さんは「石神さんから連絡をいただき駆けつけた。『すごくでかい!』と思った。ふわふわ海の中を浮遊する幼生から伊勢エビの形になるのに約300日掛かる。2キロ超えの伊勢エビなら30年以上掛かると思う。透明な幼生の時を想像すると不思議でならない」と話す。
石神さんは「こんな大きな伊勢エビは初めてだった。地元の水族館に展示してもらい、多くの人に見てもらえれば」笑みを浮かべる。