二見興玉神社(伊勢市二見町)の海に浮かぶ夫婦岩の間から6月3日、直線距離で200キロ以上離れた富士山がくっきりと見えた。伊勢市在住の阪口元彦さんが男岩の鳥居と朝日を撮った写真にはゴーストが神秘的に写っていた。
この日は水平線近くに雲がなく、空気が澄んでいたことから周囲が明るくなリ始めるとくっきりと富士山が現れた。境内でレンズを構えるカメラマンたちはいつもよりもシャッターを切る回数が多くなっていた。
夫婦岩の間から朝日と富士山の撮影に成功した阪口さんは「今日は富士山が見え、太陽も出て綺麗な夫婦岩でした。太陽は夏至までに少しずつ近づいていって重なり、一度通過してまた戻ってくる」と話す。
一方、阪口さんが撮影した写真の中に鳥居が2つ写っている不思議なものがあった。志摩市在住で環境省自然公園指導員や星空観察会のナビゲーターなどを務める宮本秀明さんは「基本的にカメラのレンズから生じる『ゴースト』だろう。平面の保護フィルターを使用すると内側に光をはね返す反復反射が生じ画面中心の点対象方向に明るい光源が写る。それが原因で太陽の手前にある鳥居の影が浮かび上がったのだろう」と説明する。
同神社では今年の夏至の日に当たる6月21日、夫婦岩の前で禊(みそぎ)行う夏至祭がとり行われる。