「小樽を変えた男」として知られる元公務員の木村俊昭さんによる講演会が10月2日、伊勢二見の旅館街にある元旅館をリニューアルして集う「コミュニティ館 湊(みなと)」(伊勢市二見町)で行われた。
木村さんによる講演会は、第1回「未来創生勉強会」として伊勢のまちづくりを進め、11月23日に「第1回世界こどもサミット2017@伊勢」を計画している「コミュニティ湊」が主催する。
木村さんは小樽市役所職員として地域の再生に取り組み、全国初の歴史的建造物を活用したライトアップや老舗ガラス工房誘致などで「ガラスの街・小樽」のブランド化に成功。1985(昭和60)年約270万人だった観光客が1999年には約1000万人近くにまで増加、2015年には約795万人と劇的に増やし小樽市を観光都市として再生させた一人。その後2006年から内閣官房・内閣府に出向し地域再生策の策定や調査研究などを担当。2009年から農林水産省大臣官房企画官として、地域の担い手の育成、地域ビジネスの創出、6次産業化などを手掛けた。2011年に「木村俊昭の北海道スーパー公務員塾」を開講、「日本地域創生学会」などを立ち上げ、全国各地で講演・現地アドバイスを行っている。
木村さんは「できないをできるに変えるまちづくり」地域創生のポイントを国内外の先進事例を交えて解説。「予算があるからできること、予算がなくてもできること。予算がない中で事業を行おうと考えるから、職員の資質は向上する。視点・発想を変えれば、どんどん良くなっていく」と話す。
続いて、米国マサチューセッツ工科大学海洋工学科の客員研究員などを歴任し暗号化技術に詳しい日本安全保障・危機管理学会(東京都豊島区)理事の中村宇利(たかとし)さんによる「大変革の新時代をどう生きるか」をテーマにした講演も行われた。
同団体代表の菅沼奏香(そうこ)さんは「第1回の勉強会が開催できて、全国から伊勢に集っていただき有り難い。まだまだ歩みだしたばかりだが、これからどんどん勉強会や事業を企画開催ししていきたい。ここが人と人がつながるコミュニティーの場になれば」と微笑む。