伊勢神宮内宮(ないくう)宇治橋前大鳥居の正面から1月31日、赤銅色に輝く満月が現れた。
この日、白く輝いていた太陽の光に照らされた満月が21時52分ごろ、地球の影に隠れて完全に輝きを無くすと、同時に薄っすらと赤銅色に輪郭を染めた満月に姿を変えた。
この日の伊勢志摩地域の夕方からの天気予報は曇り。月の出時刻の17時4分ごろ、水平線からや二見興玉神社(伊勢市二見町)の夫婦岩の大しめ縄の間からの月の出にも多くの人が期待したが水平線付近に雲があったため、すぐには出ず、約30分以上してからの満月となった。
伊勢神宮をはじめ日本の伝統文化、神話や風土、四季折々の風景などを撮影する滋賀県出身の写真家・岩咲滋雨(じう)さんは「天気予報では曇りだったが、見ることができなくても太陽の神様をお祭りする伊勢神宮内宮のおそばで撮影できたら幸せだと思い、この日に合わせて駆け付けた。太陽と地球と月が一直線に重なった瞬間を撮影することができてとても幸せ。日本の素晴らしさ、目に見えない大切なものを写真を通して少しでもお伝えすることができれば」と話す。
この地域の皆既月食の観測は2014年10月8日だった。昨年8月8日には部分月食が観測された。