南伊勢町内瀬(ないぜ)地区で3月初旬から、柑橘(かんきつ)類を栽培するアサヒ農園(度会郡南伊勢町内瀬)の「せとか」の販売が間もなく終了となる。
「柑橘の大トロ」「幻の柑橘」の別名を持つ「せとか」は、2001年に長崎の果樹試験場で生まれた品種。「宮川早生(わせ)」と「トロビタオレンジ」から生まれた「清見」に、「キング」と「地中海マンダリン」から生まれた「アンコール」を掛け合わせ、さらに「マーコット」を交配して育成した、それぞれの品種の長所を生かした柑橘。
外果皮が柔らかく手で簡単にむくことができて、内皮(じょうのう膜)も薄くそのまま食べられる。味は濃厚で果肉もジューシー、種が無く香り豊かで糖度が高いのが特徴。バラエティー番組「マツコの知らない世界」の「みかんの世界」でも「1個1,000円のみかん」として紹介され、マツコ・デラックスさんが絶賛していた。
同園で収穫された「せとか」は、地元の「産直市場 みなみいせ」(南伊勢町伊勢路)の店頭と口コミ販売のほか、「銀座千疋屋(せんびきや)」(東京都中央区)で販売する。千疋屋では1個1,296円の値段が付けられた。
同農園5代目の田所一成さんは「千疋屋さんからの注文も多くなっているが、納得のいくものを出すにはまだ数量を確保できないのが現状。南伊勢町の産直市場では袋入り(7個前後)を1,500円で販売しているが、小さな店舗にもかかわらずたくさん注文を頂くので有り難い。志摩市の産直市場『恵みの郷 志摩海道』(志摩市磯部町)へも2年前から納品させていただいている」と話す。
田所さんは「現在『せとか』を増産できるように準備しているところ。あと2、3年で1.5倍くらいになるのでは。そのほか『ブラッドオレンジ』など珍しい品種や路地ものの『不知火(しらぬい)』もお客様から喜んで頂いている。伊勢市内のフレンチやイタリアンのレストランのオーナーシェフから直接取引も増えている」とも。