伊勢・二見興玉神社(伊勢市二見町)の夫婦岩(めおといわ)の大しめ縄の真ん中から6月22日、朝日に照らされ富士山のシルエットがくっきりと現れた。
最も昼間の時間が長くなる夏至の6月21日、夫婦岩の海の中でみそぎを行う「夏至祭」が執り行われた。幸い雨も降らず太陽の光もわずかながら差し、雲が重なり肉眼ではほとんど認識することはできなかったが、富士山も少しだけ観測することができた。
夏至の日の出は、最も北寄りから太陽が昇る。二見興玉神社の富士見橋の真ん中より本殿寄りに立つと、富士山の左肩から上がり頂上付近をかすめるようにして昇るのが見られる。夏至の日を境にして、太陽が昇る位置は南方向に移動していく。
夏至の日から1日たったこの日は、日の出前から空がオレンジ色に染まり梅雨の合間の晴れ間となった。日の出時刻の4時40分を3分過ぎた頃、赤く染まった太陽が顔を出した。その後太陽はゆっくりと斜め右に上昇し、富士山の左肩を映しながら頂上までのシルエットを映して大きな赤い円になった。
夏至の日前後の朝日は、鹿島神宮(茨城県)、皇居、明治神宮(東京都)、富士山(静岡県)、豊川稲荷(愛知県)、二見夫婦岩、朝熊岳、伊勢神宮(伊勢市)、高野山(和歌山県)、高千穂(宮崎県)を一直線に結ぶ太陽の道「レイライン」を作る。また二見興玉神社の夫婦岩から昇った朝日が、福岡県の桜井二見ヶ浦に浮かぶ櫻井神社(糸島市)の夫婦岩に沈む。