伊勢神宮内宮(ないくう)で9月22日~24日の3日間、「秋季神楽祭」が行われている。
神楽祭は、天照大神(あまてらすおおみかみ)への神恩感謝と国民の安寧(あんねい)を願い、併せて雅楽を広く一般に公開することを目的に、昭和20年代初めより春の「昭和の日」を挟む3日間と、秋の「秋分の日」を挟む3日間の年2回、11時と14時からの1日2回それぞれ行っている。飛鳥・奈良時代から平安時代初めにかけて中国大陸や朝鮮半島から日本に伝わったとされる雅楽の調べに乗せ、舞人たちによる舞いが披露される。
天気が晴天の場合は、神宮神苑に設置した特設舞台で披露されるが、初日22日はあいにくの雨天となったため、参集殿の奉納舞台での1回だけの公開となった。
2人の舞人が鉾(ほこ)を持ち、雅楽に合わせて舞台を清めるおはらいの舞「振鉾(えんぶ)」を、続いて極楽に住むという鳥が舞い遊ぶ様子を表現した奈良時代から伝わるという「迦陵頻(かりょうびん)」を4人の舞女(ぶじょ)が、応神天皇の時代に百済(くだら)から渡来したという王仁(わに)が仁徳天皇即位を祝って詠んだ和歌「難波津(なにわづ)の歌」が起源とされる「皇仁庭(おうにんてい)」を披露。最後に舞いを伴わない平安時代中期に作曲されたという「長慶子(ちょうげいし)」で締めくくられた。「皇仁庭」の演舞は1997年以来21年ぶり。
24日には、外宮(げくう)勾玉池(まがたまいけ)で毎年行われている中秋の名月を愛でる「神宮観月祭」が、今年は「せんぐう館」休館中のため内宮の神楽祭特設舞台で18時から斎行される。