「海女のおやつ」として知られる煮切り干し芋「きんこ」に1月から、姉妹品「ぎんこ」が登場した。製造・販売は「きんこ芋工房 上田商店」(志摩市阿児町、TEL 0599-47-3517)。
「きんこ」は、サツマイモの一種「ハヤトイモ」を加工した干し芋で、海女がオフシーズンの冬場に作る郷土食材として昔から知られている保存食。ナマコを干したものが「きんこ」と呼ばれ、その姿が似ていることから同じように呼ばれてきた。
創業45年の同店は、砂糖や人工甘味料などを一切使わない、甘く柔らかい「きんこ」を作ろうと1974(昭和49)年から1980(昭和55)年までの6年間研究を重ね、独自の製法で完成させた。同店は、加工場に隣接する販売店として一昨年12月にオープンした。
志摩地方では生産量が少ない希少なハヤトイモだけを使う「きんこ」に対して、新商品の「ぎんこ」は、焼き芋などで人気の高いサツマイモ品種「ベニハルカ」を使う。
同店の橘麻衣さんは「ハヤトイモに代わるサツマイモでおいしい煮切り干し芋を作ろうと3年前から試行を重ねてきた。ベニアズマやアヤコマチ、アンノウイモなど何種類もの品種で作ってみた結果、ベニハルカが現在の製造方法を変えないでもおいしくできた。昨年試験販売をして好評だったので、ラインアップに追加した。しっとりとした食感と濃厚な甘みが特長。ネーミングの『ぎんこ』は『きんこ』と合わせて金と銀を連想させ、なんとなく語呂もいい」と話す。
価格は、「きんこ芋」(170グラム入り=1,180円)、「ぎんこ芋」(同=1,080円)。
営業時間は11時~17時。