満開の桜と海に浮かぶ飛島の景色が目の前に広がる「旅荘 海の蝶(ちょう)」(伊勢市二見町松下、TEL 0596-44-1050)で4月7日、従業員らでつくる「茶道部」とその指南役の「爪橋社中」が「さくら茶会」を開いた。
同館は、伊勢神宮125社の1社皇大神宮摂社の「粟皇子(あわみこ)神社」を敷地内に持つ。NHKドラマ「おしん」の撮影地にもなったビーチがあり、約20種1000本の桜が咲く。
同部は、同館の従業員が日本文化の茶道を通しておもてなしの心を学ぼうと2015年3月から毎月2回、「爪橋社中」を主宰する爪橋静香さんから作法などを習い今年で5年目を迎え、今回で4回目の茶会を開いた。
爪橋さんは、宇治山田高校(伊勢市浦口)、文化服装学院(東京都渋谷区)を卒業し、茶道や華道、書道、和服の着付け・和裁など、日本の伝統文化を総合的に伝えようと活動する。表千家教授(雅号=紹香じょうこう)、真生流家元正教授(同=静華せいか)。五十鈴塾(伊勢市宇治浦田)講師などを務め、2016年5月にあった伊勢志摩サミットでレセプションホールの飾り付けを担当した。
同館おかみの中かほるさんは「桜の咲く頃に年に一度、こうしてお客様をお招きし、お点前を披露することで成長する。時に緊張することも大切」と話す。
支配人の西村昭彦さんは「習い始めは一連の作法を、次第に心の入れ方、指先にまで細やかな神経を注ぐようにと丁寧に教えていただいている。おかげ様で接客サービスの向上につながっている」と微笑む。
中さんは「ちょうど今、フロントロビー正面のソメイヨシノが満開となっている。ビーチまでの道沿いにも桜並木があり、その奥の隅に光を照らすように咲く『女将桜』もこれから見頃を迎える。館内にはカフェスペースもあるので、気軽に桜を見に来ていただければ」と呼び掛ける。