令和元年5月1日の早朝、伊勢志摩で最も高い標高555メートルの朝熊岳(あさまだけ)山頂から初日の出を見ようと伊勢志摩スカイライン(伊勢市朝熊町)展望台には大勢の人が詰めかけた。
同企画は、近畿日本ツーリスト・クラブツーリズムやJTBなどが企画した「お伊勢さん朔日(ついたち)参りと朝熊山から望む新元号ご来光」などのバスツアーで、令和元年の最初の朝日を伊勢神宮に近い同山山頂で拝もうと、大型観光バス19台にツアー客690人が参加した。
この日、天気は小雨交じりで空一面に淡い雲が覆っていたため、朝日を拝むことは叶わなかったが、東には伊勢湾や鳥羽湾の多島風景を眼下に臨む同地ならではの絶景が広がり、西には世界遺産の熊野古道のある山々に八雲立つ景色が広がっていた。
名古屋から日帰りツアーに参加した女性は「あいにくのお天気だったが、伊勢神宮のおそばでこうして朝日を感じながら令和を迎えることができてとても幸せ」と笑みを浮かべた。
一方、伊勢神宮を始め伊勢志摩地域の神社では「令和元年五月一日」の日付の入った御朱印をいただこうと、多くの人が列を成していた。日本神話「天孫降臨」で天八衢(あめのやちまた)で邇邇芸命(ににぎのみこと)らを待ち案内したという猿田彦大神(さるたひこおおかみ)を祭る猿田彦神社(宇治浦田)や二見興玉神社(二見町)では、御朱印を受けようと朝から行列は途切れず日が暮れるまでの時間、大勢の人が並んでいた。職員たちは一筆一筆心を込めて応対していた。