【追加】台風19号の影響により10月13日、14日のイベントは全て中止となっています。
「Satoyama実践者交流会2019」が10月13日、HOTEL&RESORTS ISE-SHIMA(志摩市磯部町)で開催される。「Japan Times Satoyama推進コンソーシアム」と志摩市の共催。三重県の協力、総務省、農林水産省、環境省、全国知事会、全国市長会、全国町村会などが後援する。
同コンソーシアムは、日本総合研究所(東京都品川区)調査部主席研究員の藻谷浩介さんとNHK広島取材班の共著「里山資本主義 日本経済は『安心の原理』で動く」(2013年)を元に、お金がお金を生む経済「マネー資本主義」に依存するのではなく、海や山などの自然、地域での人間関係など、お金では買えない資産を大切にし、同時にテクノロジーを最大限に活用しながら地方で暮らす人(地域の実践者)の手によって地域の未活用資源に新たな価値を与え活かし、雇用を生み出し、地域全体の活性化を目指す新しい資本主義のあり方「里山資本主義」による実践者を支援し発信することで、お金だけに頼らない社会、持続可能な社会の実現を目指そうと活動する。
同交流会は、「里山」を「Satoyama」として内外へ発信し、従来の産業とのマッチングや、新たな物産販売・流通のネットワーキング、インバウンド観光客への対応など多岐にわたる実践者情報を収集・共有・発信しようと3年前から毎年開催している。2017(平成29)年には山口県の周防大島で、2018(平成30)年には広島県の神石高原町で開催した。
今回のテーマは「SDGsを里山里海で考える」。2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」に焦点を当てた。藻谷さんの基調講演、現役海女で三重県漁村女性アドバイザーを務める新井圭織さん、志摩観光ホテル(志摩市阿児町)総料理長の樋口宏江さん、マスヤグループ(伊勢市小俣町)社長の浜田吉司さん、内閣府地方創生推進室次長の村上敬亮さん、フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング(宮城県石巻市)COOの津田祐樹さんらがパネルディスカッションで「里山里海×海洋保護」「里山里海×地産地消」の2つのテーマで話し合う。そのほか、三重県立水産高校(志摩市志摩町)の高校生による活動や成果を共有する。
翌日は「的矢かき」ブランドの佐藤養殖場(磯部町)、「伊勢志摩備長炭」を作るさとう製炭工房(浜島町)、英虞湾が一望できる横山展望台(阿児町)をめぐる「志摩市の実践者を巡るスタディツアー」も実施する。
同コンソーシアム代表でジャパンタイムズ社長の末松弥奈子さんは「この『実践者交流会』は、里山を舞台に活躍する実践者の皆さんが地域を越えて集い交流する機会を作ろうとして、スタートした。里山から、里川、里海へと続く、自然由来の資源に、地域で暮らす人々の手によって新たに交換可能な価値が与えられ、安心で将来性のある地域社会をつくる『里山資本主義』は、地域、日本、世界の気候変動や高齢化などの様々な社会課題に向き会う時に、たいへん重要だと考えている。3回目となる今回は、『SDGs未来都市』である志摩市で開催するので『SDGs』をテーマにおいた。地元の実践者の方々に加えて、高校生の皆さんの取り組みの発表など、楽しみにしている」と話す。
「Satoyama実践者交流会」の開催時間は、13日=13時30分~18時、14日=9時~11時30分。参加費は、懇親会と宿泊のセット1室1人利用=14,000円、1室2~4人利用=12,000円、懇親会費=7,000円。