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伊勢神宮外宮「せんぐう館」が再開 2017年の台風21号で浸水

伊勢神宮外宮「せんぐう館」が再開 2017年の台風21号で浸水(撮影=岩咲滋雨)

伊勢神宮外宮「せんぐう館」が再開 2017年の台風21号で浸水(撮影=岩咲滋雨)

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 2017(平成29)年の台風による被害を受け休館していた伊勢神宮外宮(げくう)「式年遷宮記念 せんぐう館」(伊勢市豊川町、TEL 0596-22-6263)が11月7日、一部展示内容を新しくしてリニューアルオープンした。

【その他の画像】リニューアルした「せんぐう館」

 「せんぐう館」は、2013(平成25)年の第62回式年遷宮を記念してできた神宮に関する博物館で、これまでの遷宮が伝えてきたこと、遷宮を未来へ継承していく意義、外宮を中心とした参宮(来館)と周辺地域の発展などを目的に2012(平成24)年4月7日、伊勢神宮外宮・勾玉(まがたま)池のほとりに開館。地上1階・地下1階の鉄筋コンクリート構造+鉄骨造り、資料館、休憩舎、奉納舞台で構成され、総工費約25億円をかけた。平等院宝物館鳳翔館(京都府宇治市)などを手掛けた栗生総合計画事務所(東京都文京区)の栗生明さんが設計を担当した。

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 2013(平成25)年12月17日に入場者100万人、2017年5月2日に入場者200万人を達成。2014(平成26)年3月26日には上皇上皇后(当時天皇皇后)両陛下、同年7月28日に天皇皇后両陛下(当時皇太子皇太子妃)と愛子さまも同館をご視察された。

 新宮に向かう神職らの参進の様子「遷御(せんぎょ)の儀」の6分の1の模型、新御敷地(しんみしきち)に立つ外宮殿舎の20分の1の配置模型などを実物、写真・映像などで紹介。中でも原寸大の大きさで4分の1に切り取り、地下の展示室の床から「千木(ちぎ)」(屋根の両端で交差する木)までの高さ12.4メートル、最も太い部分で直径75センチの大きさになる神宮林から切り出したヒノキ材の棟持柱(むなもちばしら)が目の前にそびえる「外宮正殿(しょうでん)」の展示物が人気を集めていた。

 しかし、2017年10月22日~23日の未明に伊勢地方を襲った台風21号の影響を受け、地下の「外宮正殿」の茅葺(かやぶき)屋根の部分(約6メートル)の高さまで水に漬かり、大きな被害を受けた。当時、外宮殿舎の模型は水に浮いていたという。

 その後、休館して復旧工事を進め、床材などを入れ替え、地下展示室の外壁は浸水部分までを新しく張り替え、乾燥させきれいに洗浄するなどし、リニューアルオープンを目指していた。今回の工事で浸水対策を強化するために、建物の外周を高さ1.2メートルの止水壁で囲み、出入り口など6カ所に止水扉を新設した。

 展示物は極力元通りに戻すことに努め、さびてしまった金物類は新調し、「外宮正殿」は洗浄し、茅葺屋根は全て新しく張り替えた。樹齢100年のヒノキの切り株(直径約60センチ)とこずえの展示は、遷宮の御用材として木を頂いたことに感謝と再生を祈る「鳥総(とぶさ)立て」を象徴的に再現、社殿造営の祭典「上棟祭」に関する展示にも力を入れた。そのほか、勾玉池展望デッキをフリーWi-Fi化し写真撮影可能なフォトスポットを新設した。

 神宮司庁文化部主任の鐙谷(あぶみや)嘉樹さんは「台風で1階の事務所も膝中まで浸水した。ご正殿は現物を残しきれいにブラッシングした。神宮は遷宮のために1万本以上の木を切り出し、宮大工が建て、20年に1度の遷宮を行っている。そのためには木が必要で、ヒノキをゼロから育成し現在、200年の計画で木材を準備している。『鳥総立て』は、この夏に神路山に入って200年計画の半分の樹齢100年のヒノキの原木を採取し『本物』を展示した」と話す。

 開館時間は9時~16時30分。第4火曜休館。入館料は、高校生以上=300円、小中学生=100円。

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