伊勢市で生まれ明和町で育った音楽家の長岡成貢さんが大嘗祭の11月14日、伊勢神宮に仕え日々祈り続けた未婚の皇女「斎王(いつきのひめみこ・さいおう」にささげる音楽CDアルバム「美しきひめみこたちの物語~Mistic world of Himemiko~」を発売した。
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長岡さんは、11月9日に天皇陛下御即位を祝福する国民祭典で奉祝曲「Ray of Water」第3楽章「Journy to Harmony」を歌った嵐や2月24日に上皇陛下作詞、上皇后陛下作曲の「歌声の響」を歌った三浦大知(当時12歳、三浦大地)さんほか、SMAP、EXILE、MISIAさんなどさまざまなアーティストに楽曲提供する。映画「EMPIRE OF SILVER/白銀帝国(2009)」「桜田門外ノ変(2010)」「渾身 KON-SHIN(2013)」「中国版 深夜食堂(2019)」、ドラマ「日曜劇場 JIN-仁-(2009~2011)」などの音楽も手掛けた。一方、地元明和町の「斎王祭り」のテーマ曲「斎宮(さいくう)物語~斎王(いつき)の舞」を制作(1992)した。
「斎王」は、天皇に代わって伊勢神宮に仕えるために都から伊勢に派遣される未婚の内親王または女王。原則天皇一代に斎王一人で、天皇が即位すると、占い「卜定(ぼくじょう)」で選ばれる。第40代天武天皇(670年飛鳥時代)の皇女・大来皇女(おおくのひめみこ)から斎宮制度が始まり、第96代後醍醐天皇の時代(1330年南北朝時代)までの約660年間に60人余りの斎王が選ばれた。斎宮制度は、大嘗祭の儀礼などとともに、天武天皇が成立させた。伊勢神宮を創建した第11代垂仁天皇の皇女・倭姫命(やまとひめのみこと)も斎王の一人とされる。現在の明和町の地に、約120メートル四方の碁盤目状に区切られた区画が東西に7列・南北4列に並び、大規模な宮殿あったが、現在は何も残っていない。東西約2キロ、南北約700メートル、面積約137ヘクタールが国の史跡指定になっている。
長岡さんは「飛鳥の時代から60人余りの斎王さまが、約660年間、天皇に代わり伊勢神宮にお仕えし、五穀豊穣(ほうじょう)、国の安寧を祈り続けてきた。その斎王さまの祈りの上に今の日本があるということを深く考え、その祈りを世界中の人々にお伝えするために、今日まで27年間、ライフワークとして音楽を作り続けてきた。平成から令和になり、第126代天皇によって執り行われた大嘗祭の日を記念してCD『美しきひめみこたちの物語』をリリースさせていただけたことを心よりうれしく思う。このアルバムが、知らざれる美しきひめみこたちの存在を知るきっかけになれば」と思いを込める。
音楽CDアルバムには全16曲を収録。「祈りのとき」は同じ明和町出身・文筆家の千種清美さん、「みそぎはらい」「瑞穂の大地」はV6や中森明菜さんなどの曲を手掛けた夏ノ芹子さん、「常若(とこわか)の森」は元伊勢神宮神職の河合真如(しんにょ)さんがそれぞれ作詞を担当。「斎王の舞」は令和バージョンに仕上げた。
「ひめみこプロジェクト」とは、平和の祈りをささげたひめみこたち、美しき日本のこころ、を音楽や舞で表現し、世界発信することをコンセプトにしたプロジェクト。長岡成貢さんが中心となって邦楽、雅楽、クラシック、ポピュラーなどの世界で活躍する演奏家、舞人によって結成。
CDアルバムの価格は3,300円。