猿田彦神社(伊勢市宇治浦田、TEL 0596-22-2554)で現在、みこたちが破魔矢に絵馬などを取り付ける奉製作業が行われている。
同神社は、猿田彦大神(サルタヒコオオカミ)と伊勢神宮の地を倭姫命(ヤマトヒメノミコト)に献上したとされる大田命(オオタノミコト)を祭る。猿田彦大神は、日本神話「天孫降臨」で天照大御神(アマテラスオオミカミ)の孫に当たる瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を先導し道案内した神様とされ、もともとその地を治めていた神(国津神)。境内社には日本神話「岩戸伝説」で神々が協力して岩屋(いわや)に隠れてしまった天照大御神を外に出そうとする際に、踊りを披露し、後に猿田彦大神の妻となったとされる天宇受売命(アメノウズメノミコト)を祭る「佐瑠女(サルメ)神社」が立つ。
破魔矢は、悪いものを寄せ付けないように断ち切るために飾られる縁起物。約90センチの赤色の「大」(初穂料=1,500円)と約60センチのムク材を使った「小」(同=1,000円)の2種類。
奉製作業は、矢に来年のえとのネズミをあしらった絵馬(2種類)や鈴、五色の吹き流し(小には無い)を外れないよう丁寧に取り付ける作業で、12月1日から同神社のみこらが交代で作業を進めてきた。約30センチの鏑矢(かぶらや)(同=1,000円)や約70センチの鉾(ほこ)(同=1,000円)と破魔矢を合わせて約5000本を奉製し、今月中旬から授与を始める。
同神社広報担当の新居一城さんは「新しい年を迎えるに当たって、皆さまにとって平和な年になっていただければ。猿田彦大神は道開きの神さまなので何かを始める人にとって幸せな一年となりますように」と話す。