猿田彦神社(伊勢市宇治浦田)の車両修祓所にトラックから下ろされた新車のフォーミュラカー1台が2月15日、神職によりはらい清められた。
持ち込まれた車両は、むき出しのタイヤにシングルシートのオープンコックピット、低い車体が特徴のレーシングカー。フォーミュラの頂点F1と同じ規格のいわゆるフォーミュラカー。「フォーミュラ・ルノー2.0」というカテゴリーのレースを走るために開発されたもので、ヨーロッパを中心にレースが展開されている。これまでも元F1レーサーの片山右京さんや小林可夢偉(かむい)さんらも同カテゴリーに出場している。全長=約4.11メートル、全高=約1.16メートル、全幅=約1.78メートル、ホイールベース約2.64メートル、車体重量=約492キログラム、エンジン排気量=約1,998cc、最大馬力=約190 馬力のワンメイクマシン。最高速度は250キロに達する。
交通安全祈願を行ったのは、不動産関連の事業を展開するコーニッシュグループ(大阪府大阪市)社長の今村聖三さんと2018(平成30)年「86/ BRZ」クラブマンシリーズ年間チャンピオン、同年にFIA-F4にも参戦したレーサーの庄司雄磨(ゆうま)さん。
20代のころから同神社を参拝し、1992(平成4)年会社設立から毎年必ず参拝をしているという今村さん。「昨年、鈴鹿サーキットでフリー走行中に、別の選手のマシンが自分の頭の上を滑るように飛び込んできた。死ぬかと思ったが、軽い怪我だけで助かった。相手の選手も無事だった。素直に猿田彦神社での安全祈願のおかげだと思った」と話す。
同神社広報担当の新居一城さんは「猿田彦大神さまは『みちひらき』の神さまで、進む先をお守りになる神さまでもある。季節を問わず1年を通して自動車の交通安全祈願は多く、乗用車以外にもタクシーやトラック、二輪車などを持ち込まれる人もいるが、フォーミュラカーは今村さんが初めて」と説明する。
今村さんは「A級ライセンスを取得し、これまでカートやF4マシンなどのレースに出場してきた。小学校6年の時からF1マシンに乗りたいと夢を描いていた。F1に乗るためのステップアップとして今回のマシンを購入した。今でもモータースポーツが好きで、若者たちにその魅力を伝え、モータースポーツを盛り上げたい」とほほ笑む。