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多気町のシャープ三重工場でマスク生産 決定から約1カ月で製品化成功

多気町のシャープ三重工場でマスク生産 決定から約1カ月で製品化成功(写真提供=シャープ)

多気町のシャープ三重工場でマスク生産 決定から約1カ月で製品化成功(写真提供=シャープ)

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 シャープ(大阪府堺市)の三重工場(多気郡多気町)で現在、新型コロナウイルス感染拡大により不足しているマスクの生産が24時間体制で行われている。

【その他の画像】シャープブランドのマスク 液晶パネル工場の空きスペースに設置したマスク製造機械

 同社の創業は、創業者の早川徳次がベルトのバックルを発明した1912(大正元)年9月15日。1915(大正4)年に早川式繰出鉛筆いわゆるシャープペンシルを製造する。1925(大正14)年に鉱石ラジオの生産に乗り出してから家電製品を中心に、液晶テレビやパソコンなどを製造・販売し、日本を代表する大手電機メーカーとなった。2016(平成28)年4月、業績悪化を受け、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が約3分の2の株式を取得し、現在に至る。三重工場は1995(平成7)年稼動。三重県が90億円、亀山市が45億円の補助金を出し完成させた亀山工場(亀山市白木町)は2004(平成16)年稼動。三重工場と亀山工場は、日本の液晶パネルの生産拠点と位置付けていた。

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 創業期こそ電子回路基板を伴わない製品を作っていたが、マスクの生産を行うのは初めて。液晶パネルの技術を応用した「TEKION保冷バック」商品もある。

 同社は、2月に入りマスク生産を検討。クリーンルームがあることから日本政府からの要請に応じて2月28日にマスクの生産を決定。液晶ディスプレーを製造する工場の使用していないクリーンルームの空きスペースに、マスク生産用の製造装置を導入。3月24日に生産を開始した。スピーディーで柔軟な対応により、決定から33日、生産開始から8日間という短期間により、3月31日の早朝にマスク生産を成し遂げた。初回出荷数は非公開。現在もなお、交代制で24時間操業、2ラインで15万枚を日産し、将来的には5ラインまで拡張し日産50万枚を目指している。

 マスクは、3層タイプの不織布マスクで、色は白、素材本体は不織布(ポリプロピレン)、耳ひも部はポリウレタン、ポリエステル、ノーズフィッターはポリエチレン、サイズは約95ミリ×175ミリ、1箱50枚入り(個別包装無し)、販売価格は未定。現時点では大人用のマスクのみで、将来的にはほかのサイズの商品化も検討する。

 同社と鴻海精密工業、シャープマーケティングジャパン(大阪府八尾市)、SHARP COCORO LIFE(大阪府八尾市)の4社によるコンソーシアムで、新型コロナウイルスに関連した感染症の発生に伴う国内生産のマスクの安定供給を推進するための経済産業省の補助金「令和元年度マスク生産設備導入支援事業費補助金」を活用。設備投資額の3分の2の補助を受けた(上限3,000万円)。

 一般的に、経済産業省から補助金の交付決定を通知する前に、発注し完成させた経費については、補助金対象とならないが、よりスピーディーにマスク生産をするため、発注済みの事業についても補助対象経費として認め、国内においてマスク生産の実績のない同社へも補助金交付決定した。

 同社広報担当者は「親会社の鴻海精密工業が今年2月から中国でマスクの生産を開始した。すぐに生産体制を組むことができたのも技術者を中国から派遣したおかげ。当面は、日本政府への納入を優先するが、順次ネットで販売する予定。まだまだ小規模ではあるが事業の幅を広げるためにマスク生産事業も継続していく予定」と話す。

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