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伊勢の食品卸業者、給食余剰食材販売 休業中のパチンコ店駐車場を無償で借り

伊勢の食品卸業者、給食余剰食材販売 休業中のパチンコ店駐車場を無償で借り(撮影協力=辻村みすづさん)

伊勢の食品卸業者、給食余剰食材販売 休業中のパチンコ店駐車場を無償で借り(撮影協力=辻村みすづさん)

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 伊勢の食品卸売り業者「塩崎」(伊勢市宮後、TEL 090-1621-6428)が4月27日から、給食余剰食材となった野菜などを販売するために、休業中のパチンコ店「ハワイ・伊勢店」(伊勢市上地町)駐車場を無償で借りドライブスルー方式による販売を開始した。

【その他の画像】休業中のパチンコ店の駐車場をドライブスルーにして給食余剰野菜販売

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 同社は、伊勢志摩地域の宿泊施設や飲食店、伊勢市と南伊勢町の小中学校8校に給食食材を納入する。

 同社の塩崎隆康社長は「新型コロナウイルスの影響を受け、ホテルや飲食店からの注文はほぼ無くなり、仕入れた食材は残ったまま。特にゴールデンウイーク前までの学校の給食で使う予定だったタマネギ、ジャガイモ、ニンジンなどの野菜が大量に山積みとなっていた。タマネギやジャガイモはすぐに芽が出てきてしまう。どうにかしないとと思い、SNSを通して呼び掛けドライブスルー方式で販売を開始した」と打ち明ける。

 塩崎社長は「これまでも、志摩の営業所(志摩市阿児町鵜方)と合わせて、伊勢市内の広いスペースを借りて販売していた。この度、パチンコ店の700台収容できる駐車場を無償で貸してもらえることになった。分かりやすい場所で、3密とならない広大なスペースなのでとてもありがたい。食品ロスにならないように、少しでもご協力いただければ」と呼び掛ける。

 販売するのは、タマネギ(大5~6個)、ニンジン(同)、ジャガイモ(約1キロ)の野菜セット(500円)、ミカン、リンゴ、イチゴなどの果物セット(1,000円)、そのほか東京オリンピックの合宿用に生産していた、地元農家が作ったキャベツやホテルのバイキング用のレタスやトマトを詰めた野菜セット(500円)も数量限定で用意する。

 塩崎社長は「明日からは、この駐車場のほかの空きスペースで、伊勢の異業種交流グループ『チームコネクト』と『伊勢甘タレからあげ協会』のメンバーたちが『たすけあいプロジェクト』として飲食店の弁当などをドライブスルー方式でテークアウトできるように準備する。人が密集しないように配慮しながら販売できれば」とも。

 県内に6店舗パチンコ店を有する「ハワイ」(志摩市阿児町鵜方)は、政府の緊急事態宣言の対象地域が4月16日に全国に広がったことを受け4月18日から自主的に休業。三重県は4月20日に「三重県緊急事態措置」を発表し、パチンコ店への休業要請を行った。三重県内パチンコ店は全118店舗。4月22日時点で110店舗が既に休業。4月25日には、全店舗が休業中となった。

 同社のドライブスルー販売は、伊勢=11時~14時、志摩=13時~16時。5月2日までを予定(「たすけあいプロジェクト」は販売時間11時30分~13時、5月3日まで)。

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