真珠養殖盛んな英虞湾をフィールドにシーカヤックなどが体験できる志摩自然学校(志摩市大王町波切、TEL 0599-72-1733)の9月以降の修学旅行などの団体予約の受け入れ状況が好調だ。
2005(平成17)年6月11日開校の志摩自然学校は、今年15周年。伊勢志摩国立公園の中心に位置するともやま公園、次郎六郎海岸を拠点に、自然体験プログラムが人気を集め、特に入り組んだ海岸線が特徴のリアス海岸と大小の島々を巡るシーカヤックツアーは、波静かな英虞湾の環境を生かしたプログラムとして特に人気が高い。2人乗りシーカヤックは60艇を保有し、1度に100人の団体の受け入れが可能となっている。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から同校も4月、5月を臨時休業していたため、同校を利用した学校・団体は昨年の実績で15校1149人だったが両月ともゼロ。6月25日現在でも6月、7月の予約もゼロになっている。しかしながら、8月は1校50人(昨年4校268人)、9月は27校2616人(同9校478人)、10月は40校2830人(同19校1170人)、11月は8校515人(同1校88人)、12月は1校97人(同1校68人)の予約がすでに入っており、コロナの影響によるマイナスを取り返し、昨年よりも15校2366人多い、77校6108人が同校を訪れる予定となっている。
6月26日の定例記者会見で竹内千尋志摩市長は「9月の予約は昨年比3倍の学校数、人数では5倍以上になっている。新型コロナウイルスによる自粛の反動もあり、3密を避ける志摩自然学校などのようなアウトドアによる体験施設が評価されているのでは」と話す。
同校担当者は「9月~11月の新規の予約が22校ある。特にプロモーションを行ったわけではないが、屋外体験ができる施設であるということと、三重県が県内、特に観光業が中心の県南部を支援するために訪問を呼び掛けたことが予約増加の要因では」と分析する。
三重県は同23日、県南部への修学旅行や遠足を行う県内の学校に対して児童生徒1人あたり最大5,000円を補助する補正予算案を提出している。