中村欣一郎鳥羽市長が12月29日、鳥羽市の4つの離島住民と帰省するその家族、釣り人など観光客に対して、自らが手書きしたメッセージを鳥羽マリンターミナル(鳥羽市鳥羽)入口に掲げた。
【その他の画像】中村欣一郎鳥羽市長の直筆による島民へのメッセージ
11月末現在の鳥羽市の人口は1万7986人。その内4つの離島に3063人が生活する。有人離島は、三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台となった「神島」(面積0.76平方キロメートル、周囲3.9キロ、158世帯、人口323人)、戦国武将九鬼嘉隆が眠る「答志島」(面積6.98平方キロメートル、周囲26.3キロ、773世帯、人口1931人)、1873(明治6年)7月1日初点灯・日本最古のれんが造りの灯台で今も現役の「菅島灯台」がある「菅島」(面積4.52平方キロメートル、周囲13キロ、218世帯、人口521人)、毎年6月に鳥羽市の天然記念物カキツバタがあやめ池に咲く「坂手島」(面積0.51平
方メートル、周囲3.8キロ、200世帯、人口288人)の4島。
4つの離島の高齢化率は46.5%と高く(市全体では38.9%)、特に坂手島は人口288人の内208人が65歳以上の高齢者で高齢化率は72.2%と際立って高くなっている。
直筆のメッセージは、離島での診療に限界があり、唯一の公共交通である定期船内で感染拡大すると高齢者の多い島内でさらに感染拡大する危険があり同時に重篤者が発生する恐れがあるため、島への玄関口となる鳥羽マリンターミナルに設置した。
12月28日に白い看板に書いたメッセージは「年末年始を楽しく過ごすため離島へ来訪の際は、いつも以上の感染予防を。身近な間柄だからこそ大切に接しましょう 鳥羽市長 中村欣一郎」(原文ママ)。
中村市長は、今回のメッセージを数えてこれまで合計4回の直筆メッセージを掲げている。第1回目は4月24日に「釣り目的で島へ入るのはやめて下さい 今、大切なのは命(島)を守ることです!!」、第2回目は5月17日に「不要不急の渡島は、あとしばらくご遠慮願います。島の皆さんの気持ちをおくみ取り下さい」、第3回目は6月1日に「長い自粛にご協力ありがとうございました。今後は万全の体制で来島者をお迎えし、島の元気につなげていきましょう!!」。
中村市長は「4回のメッセージは、それぞれその時の状況に合わせて自分で考えて書いた。『直接声で届ける』『直筆でメッセージを届ける』というのが持論で、島のみなさんの不安を少しでも和らげることができればと思い、心を込めて書かせていただいた。早く新型コロナウイルス感染拡大が収束することを願う」と話す。