志摩市の広域通信制高校の「代々木高校」(志摩市磯部町)アスリートゴルフコースに通い昨年3月に卒業したばかりの笹生優花(さそうゆうか)さんが6月6日(現地時間)、ザ・オリンピッククラブ・レイクコース(米国・カリフォルニア州、パー71)で行われた「全米女子オープン」でメジャー初優勝を飾った。
笹生さんは4日間を通算4アンダー(初日69、2日目67、3日目71、最終日73、計280)で、畑岡奈紗さんと並びプレーオフに突入。2ホール共にパー、サドンデス形式となった3ホール目を制した。笹生さんは19歳と351日で大会最年少記録を達成。
同校のアスリートゴルフコースは、ジュニアゴルファーの理想の育成環境を目指して2010(平成22)年4月に創設。石川遼プロ(CASIO)を育てた吉岡徹治さんが監督を務め、全米女子ゴルフトーナメント「ミズノクラシック」などが開かれた「賢島カンツリークラブ」(同)の協力を得て毎年夏に強化合宿を行っている。現在の部員数11人(男8人、女3人)、卒業生43人。
同校ゴルフ部顧問の山中辰男さんは「現在プロテストを合格したのは、2015年度卒業の篠優希と笹生の2人。笹生の1年先輩になる中島啓太(日本体育大学)は現在アマチュア世界ランク1位。プロ転向が今から楽しみ。今年のプロテストに笹生の先輩と後輩3人が6月22日に行われる最終テストに臨む。アスリートゴルフコースを立ち上げ10年になるが、まさか世界のメジャー大会で優勝する選手がこんなに早く誕生するとは。引き続き笹生の応援、また代々木高校アスリートゴルフコースをよろしくお願いします」と話す。
橋爪政吉志摩市長は「優勝、誠におめでとうございます。『世界一になる』という夢を語られ、見事実現されたことは、強い信念を持って練習を重ねてきた努力のたまものだと感じます。ますますご活躍されることを期待しています」とメッセージを送る。
賢島カンツリークラブ支配人の前田稔さんは「この度は、優勝おめでとうございます。代々木高校在籍中の合宿で、当コースにて練習をしていただいていたことを思うと感無量です。ゴルフ場としても大変光栄です。これからも世界で活躍していただければ」とエールを送る。
日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれ両国の国籍を持つ笹生さんは、3年間同校に在籍し、スクーリング出席のため志摩市に宿泊し、「賢島カンツリークラブ」での練習を欠かさなかった。2017(平成29)年「フィリピンジュニア女子アマチュア」「フィリピンアマチュア女子オープン」、2018(平成30)年「フィリピンレディースオープン」でそれぞれ優勝。同年8月23日~26日にインドネシアジャカルタで開催された「第18回アジア競技大会」ゴルフ競技で、高校2年生でフィリピン代表選手として出場し個人優勝、フィリピンチームにも金メダルをもたらした。2020年8月14日~16日「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」でプロ初優勝、同年8月27日~30日「ニトリレディス」で2勝目を挙げた。