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伊勢「ひもろぎの里」で山の神祭 「萱場精神」後世に

伊勢「ひもろぎの里」で山の神祭 「萱場精神」後世に(撮影=加藤直人)

伊勢「ひもろぎの里」で山の神祭 「萱場精神」後世に(撮影=加藤直人)

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 「日本青伸会」(東京都千代田区、TEL 03-3261-8565)が所有する「ひもろぎの里」(伊勢市勢田町)で12月10日、「山の神祭」が行われた。

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 同会は、1945(昭和20)年から年末年始の伊勢神宮のかがり火の奉仕「庭燎(ていりょう)奉仕」を行い、1976(昭和51)年に次代を担う健全な青少年の育成を目指そうと伊勢神宮内宮(ないくう)と外宮(げくう)の中間にある山を取得し「ひもろぎの里」と名付け、1978(昭和53)年からユースキャンプや、1980(昭和55)年から伊勢神宮の森で育った苗木の植樹などを行っている。

 1942(昭和17)年、伊勢神宮の社殿などを新しく建て替える第59回式年遷宮で使う屋根材のカヤを栽培するための山を開拓するため、「神宮萱地(かやち)造成奉仕隊」が結成され、小川郷村(現在の度会町川口)の約100万平方メートルの山を延べ5万人以上の隊員が1年3カ月かけ、開墾からカヤの植栽を行った。カヤ地完成後、勤労奉仕で培った「奉仕・友愛・忍耐・進取」の精神を後世に伝えようと、奉仕隊に参加した全国約4000人で「屋船会」が1943(昭和18)年に結成されその後、「日本青伸会」に改名した。1976(昭和51)年に社団法人に、2012(平成24)年に公益法人となり現在に至る。

 1980(昭和55)年から毎年12月に行う同祭。伊勢神宮の神職が神饌(しんせん)や参列者をはらい清めた後、山の神を祭る地まで山を登り、神前で祝詞を上げ、会員らがサカキを奉納し、1年を無事に過ごせたことに感謝して手を合わせた。

 祝詞を上げた神職は「山林の開墾のご奉仕をしたことに始まる日本青伸会。そのご奉仕の精神は今も受け継がれており、日々の神宮の清掃奉仕や年末年始に全国から訪れる参拝者を温かく迎えるためのかがり火のご奉仕に尽力いただいている。祝詞の中に『萱場精神』という言葉があったが、当時の人たちが幾多の困難にもめげず、素朴な生活に耐え、魂を奮い立たせて山林の開墾に当たった気概を表していると思う。このような困難な時代にこそ皆さま方が培われてきたこの精神が大事だと思う。この尊い精神を、次世代を担う子どもたちにも守り伝えていってほしい」と話す。

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