鳥羽市が1月17日、鹿児島県の離島「甑島(こしきじま)」で地域の生活を充実させようと取り組む山下賢太さんの講演会を鳥羽市民体育館サブアリーナ(鳥羽市大明東町)で開いた。
2019年度から鳥羽市が市民と共に地域共生社会について学ぼうと、さまざまな分野から講師を招き行っている講演会「しあわせのセブントーク」の一環。
中村欣一郎鳥羽市長は「地域共生という、今一番大切なワードを山下さんならうまく伝えてくれると思ったのでオファーした」と話す。
山下さんは「東シナ海の小さな島ブランド」(薩摩川内市里町里)で豆腐やパンを製造販売するほか、カフェレストラン、宿泊施設、コワーキングスタジオの運営に取り組みながら、地域資源が循環していくしあわせな人・もの・場づくりを行っている。このほか、漁師と消費者をつなぐイベント「KOSHIKI FISHERMANS FEST(甑フィッシャーマンズフェスト)」の企画運営、鹿児島の離島の人々と地域をつなぎ新しい価値を創造するコミュニティー活動「鹿児島離島文化経済圏(リトラボ)」なども展開している。
この日、山下さんは「未来は辺境にあり(課題を価値に変える集落デザイン)」をテーマに、創業までの成り立ちや、どのようにして事業を展開してきたかをスライドを交えながら説明。「この島で自分に関係ないことは何もない。大切なものは思いだけでは守れない。この島には何もないのではなく、全てあるという視座が大切。観光地にするのではなく、誰かの目的地になれるように取り組んでいる」と話した。