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伊勢神宮別宮「倭姫宮」創建100周年を祝い特設舞台で音楽演奏

伊勢神宮別宮「倭姫宮」創建100周年を祝い特設舞台で音楽演奏(撮影=岩咲滋雨)

伊勢神宮別宮「倭姫宮」創建100周年を祝い特設舞台で音楽演奏(撮影=岩咲滋雨)

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 伊勢神宮内宮(ないくう)別宮「倭姫宮(やまとひめぐう)」(伊勢市楠部町)創建100周年を祝い11月4日・5日、同宮に隣接する神宮徴古館周辺で記念行事が行われた。

【その他の画像】倭姫宮ご鎮座100周年奉祝記念行事

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 倭姫宮は、第11代垂仁天皇の皇女で、日本武尊(やまとたけるのみこと)の叔母に当たり、日本武尊に三種の神器の一つである草薙剣(くさなぎのつるぎ)を与えたとされる倭姫命を祭る。2000年前、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の鎮座地を求めて各地を転々と巡り、紀元前4年に伊勢にたどり着き、神宮を創建。その後、神嘗祭(かんなめさい)をはじめとする年中の祭りを定め、米作りを伝えたとされる人物。倭姫宮は、伊勢神宮125社の中で最も新しい神社として1923(大正12)年11月5日に創建された。

 4日午前は、伊勢神宮内宮(ないくう)でシンポジウムが行われ「100年後の倭姫宮」について話し合われた。神宮徴古館前の特設舞台では、2日間に渡って音楽演奏や舞踊などが披露。4日は、和太鼓の神恩太鼓、バイオリン奏者の白須今さん、オカリナ奏者の大沢聡さん、箏奏者の中井智弥さん、雅楽師の東儀秀樹さんと息子の東儀秀典親さんによる演奏のほか、伊勢少年少女合唱団によるコーラスが披露された。

 5日は、倭姫宮本殿前で伊勢神宮の神職による祭典が執り行われた。その後、地元出身ソプラノ歌手の廣めぐみさんと岩手県出身津軽三味線奏者の黒澤博幸さんによる「奉賛曲 倭姫命」、明和町出身の音楽家・長岡成貢さんらによる演奏では元伊勢神宮神職の河合真如さんが作詞し、長岡さんが作曲・編曲した倭姫命を歌ったオリジナル曲「倭姫(宮)~伊勢の春秋」などこの日のために作曲した「倭姫3部作」を含む全8曲が披露された。そのほか、邦楽三味線西尾会、宇治・楠部・古市地域の奉曳団による木遣り、神路会による伊勢音頭、黒澤さんによる津軽三味線演奏、千の会による祭祀舞、正洲会と大日本正義流による詩吟と剣詩舞、「まはろ」による民族音楽が演奏された。

 黒澤さんの津軽三味線の演奏が始まると、天気予報通りの雨が降り出した。黒澤さんが濡れながらも1曲目の演奏を終え、2曲目の「HIKARI URUWASHI」という曲を演奏し始めると、急に日が差しその周辺だけ青空が見え雨が上がった。黒澤さんは「東日本大震災で被災した人たちを前に日本武尊を祭る神社で奉納演奏をしていたときも同じようなことが起こった。その時もその神社にだけ光が差していた。後から聞くと、そのころ伊勢神宮内宮(ないくう)周辺では雨だったそうで、倭姫さまに気持ちが伝わったのか。そう思うととてもありがたい気持ちになった」と話す。

 長岡さんは「『斎王の舞』を作った1991(平成3)年から31年間、ひたすら続けてきた『ひめみこプロジェクト』。長年の思いがこうして倭姫命さまの祭典で結実することができたことはとても有難い。たくさんの人に喜んでもらえてとても嬉しい」と話す。

 倭姫宮御杖代(みつえしろ)奉賛会・記念行事実行委員長の村田典子さんは「コロナ禍が明け、こうして多くの人とお祝いができることは、本当に良かった。伊勢は20年に一度、式年遷宮があり蘇る。その蘇りを重ねて100年になり、次の100年になっていく。次世代への100年、その次世代がどんなふうになっていくのか、どんな方々がこのステージを支えてくれるのか、とても楽しみ。これからも5月5日、11月5日の例大祭にご参集いただき倭姫さまが繋いでくれるご縁を、多くの人と共有していきたい」と話す。

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