猿田彦神社(伊勢市宇治浦田)の巫女(みこ)たちが現在、破魔矢に絵馬などを取り付ける奉製作業を行っている。
同神社は、日本神話「天孫降臨」で天照大御神(アマテラスオオミカミ)の孫に当たる瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を先導し道案内した神様とされる猿田彦大神(サルタヒコオオカミ)と伊勢神宮の地を倭姫命(ヤマトヒメノミコト)に献上したとされる大田命(オオタノミコト)を祭る。交通安全、土地開発、開業、開運など「みちひらき」に関することに御利益があるとされる。境内社に、日本神話「岩戸伝説」で神々が協力し岩屋(いわや)に隠れた天照大御神を救出する際に踊りを披露し、後に猿田彦大神の妻となったとされる天宇受売命(アメノウズメノミコト)を祭る「佐瑠女(サルメ)神社」が立つ。
破魔矢は、悪いものを寄せ付けないように断ち切るために飾られる縁起物。約90センチの赤色の「大」(初穂料=1,500円)と約60センチのムク材を使った「小」(同=1,000円)の2種類。
奉製作業は、矢に来年の干支(えと)である辰(たつ)をあしらった絵馬(2種類)や鈴、五色の吹き流し(小にはない)を外れないよう丁寧に取り付ける作業で、11月下旬ごろから同神社の巫女らが交代で作業を進めてきた。約30センチの鏑矢(かぶらや)(同=1,000円)や約70センチの鉾(ほこ)(同=1,000円)と破魔矢を合わせて約5000本を奉製し、12月1日から授与している。
同神社広報担当の新居一城さんは「猿田彦大神さまのみちひらきのお力によって、皆さまの行く先が明るく開かれることを祈念している」と話す。