能楽師の大倉正之助さんが新月の6月6日、伊勢の五十鈴川の上流にある「洗心荘」(伊勢市宇治今在家町)で世界平和を祈る大鼓を打った。
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洗心荘は、京都の臨済宗大徳寺170世・清巌宗謂(せいがんそうい)和尚(1588年~1661年)開山の龍王寺(伊賀市)にあった築約400年の茶室「松風庵」「翫月亭(がんげつてい)」を(平成15)年に移築した建物で、すぐそばに五十鈴川が流れる。
大倉さんは、能楽師大鼓(おおつづみ)方大倉流・重要無形文化財総合指定保持者で、今年2月8日に能楽奉納プロジェクト「飛天双〇能(ひてんふたわのう)」を開催し、能楽を伊勢神宮に奉納。併せて、伝統文化や能楽についての講座やシンポジウムを開いた。
当日は豊浦石州流(とゆらせきしゅうりゅう)による茶会の後、大倉さんが大鼓で「三番叟(さんばそう)」を披露。続いて瀬戸龍介さんはアコースティックギターで、ボリビア出身のルイス・カルロス・セベリッチさんは南米の弦楽器チャランゴで、真砂秀朗さんと山口泰さんはインデアンフルートとクリスタルボールで演奏を披露した。
大倉さんは「伊勢神宮に奉納させていただいた『飛天双〇能』がご縁で新月の令和6年6月6日にここに来ることができた。ニュースや目に触れるものは憂うことばかり。その嫌なもの、その現象を打ち消す新たな良い現象を引き起こし、世界平和を願い、素晴らしい未来を想像したい。主体たる念を持ったわれわれの思いを結集したい」と思いを込める。