鳥羽市営定期船の新造船「はばたき」の就航式典が8月26日、鳥羽マリンターミナル(鳥羽市鳥羽)で行われた。「はばたき」にはみえ応援ポケモン「ミジュマル」がラッピングされている。
式典には、中村欣一郎鳥羽市長、一見勝之三重県知事、ポケモン(東京都港区)シニアディレクターの廣瀬千尋さんらが出席。ミジュマルでラッピングされた新造船の前でのテープカットには、ミジュマルも登場した。
新造船は2階建てのアルミ合金製双胴船で、交通バリアフリー法推奨基準適合船で車いすでもスムーズに利用できる座席やバリアフリートイレを完備した。船の横揺れを軽減する減揺(げんよう)装置が従来のものよりも新しくなった。全長25メートル、型幅6.7メートル、総トン数76トン、最大速力26ノット、最大搭載人員船員4人、旅客200人。設計・監督は日本造船技術センター(東京都武蔵野市)、建造はツネイシクラフト&ファシリティーズ(広島県尾道市)。進水式は6月24日、広島県尾道市で行われた。
鳥羽市は、市の定期船6隻のうち1隻の「第25鳥羽丸」の老朽化に伴い、約5億5,000万円をかけて新船を建造。河村孝鳥羽市議会議長によると、「予算の関係上、当初はダウンサイジングする予定だったが、安全面などを考慮するとフルスペックの新船建造に至った」と打ち明ける。「はばたき」は鳥羽マリンターミナル(佐田浜)と4つの有人離島(神島、答志島、菅島、坂手島)を結ぶ航路で毎日運航する。
三重県とポケモンが2021年12月21日に包括連携協定を結び、みえ応援ポケモンに「ミジュマル」が就任し、三重県を盛り上げようと取り組む「三重県×ミジュマル」。これまで、近鉄伊勢中川駅と賢島駅間を「近鉄ミジュマルトレイン」(7月18日終了)、津駅と四日市駅間を「伊勢鉄道ミジュマルトレイン」、伊勢と鳥羽の市内を走る「ミジュマルバス」を運行するほか、NEMU RESORT(志摩市浜島町)と鳥羽国際ホテル(鳥羽市鳥羽)で「ミジュマルルーム」を特別ルームとして提供している。そのほか、さまざまな関連グッズも販売。
廣瀬さんは「ポケモンが地域の魅力を国内外に発信するプロジェクト『ポケモンローカルActs』の一環として『ミジュマル』の活躍に期待したい。船での国内での取り組みは、『ヤドン』が香川県を盛り上げ、『ヤドンのフェリー』として2隻(高松港~土庄港、姫路港~福田港)の小豆島フェリー(香川県高松市)が運航している。鳥羽市出身の当社社長も鳥羽市には特別な思い入れがある」と話す。
中村市長は「鳥羽市の離島のいいところは港から鳥羽駅までの近さ。頑張れば船を降りてから駅まで5分で行ける点。島の最終便、または一つ前の船に乗れば東京駅にその日に到着することも可能。ミジュマル船に乗って離島の魅力を満喫してほしい」と呼びかける。
運航開始は9月1日を予定。