今年4月に鳥羽市の離島「菅島」に移住し地域おこし協力隊として活動する愛知県豊田市出身の竹久友理子さんが9月、島の特産品でもある海藻「サガラメ」を生かしてフェイスパックの販売を始めた。
【その他の画像】「肌嬉Hakki さがらめパック」を開発販売する菅島地域おこし協力隊の竹久友理子さん
竹久さんは、15年間マーケティングの仕事に就きながら趣味の離島巡りを楽しんでいた。これまで国内の離島25島を訪れ、石垣島では延べ約半年間生活した。2014(平成26)年出版の竹久さんの著書、実家が温泉旅館の派遣OLとフィンランド人教師の国際恋愛喜劇を描いた「サンタクロースな彼は湯の町Flavor」(三交社)はスマホ小説大賞を受賞。今年4月3日、合同会社「菅島喜樂(すがしまきらく)」を設立し代表社員に就任した。
鳥羽マリンターミナルまで船で13分の距離、信号もコンビニもなく、島民約400人、小学生17人、過疎化の進む離島=菅島。竹久さんは「鳥羽の離島を全て行ってみて、菅島の人がとても優しく、温かかったので心が落ち着き住んでみたいと思った。生活してみてのデメリットは船代や駐車場代などがかかることだが、それ以外で不自由を感じることはない。手付かずの資源が豊富で商品化できるものがたくさんあり可能性を感じた」と話す。
そこで竹久さんは、地元では「アラメ」と呼ぶ島の特産品「サガラメ」に注目。サガラメの保湿成分を生かしたシート型フェイスパック「肌嬉Hakki(はっき) さがらめパック」を企画し商品化。クラウドファンディングでも呼びかけ、15万円の募集に対して800%以上の120万円以上の資金調達にも成功した。
竹久さんは「サガラメエキスは、細胞間脂質の主成分であるセラミドと天然保湿因子(NMF)の元となるフィラグリンによって、保湿効果と肌を整える効果が期待できる。フィラグリンがアミノ酸に分解されることによって皮膚内の水分を保持する効果にも期待できる。使用後の感想を50人にモニターアンケートしたところ『良かった』が96%。うち70%が『とても良かった』と回答してくれた。独特の『トロっと感』や『ねっとり感』が特長で、『この感触が今までにない』と高い評価を頂いた。この土地の特産品を使った商品を開発し、その商品を全国に広めていくことで、菅島の知名度を上げ、菅島の経済立て直しを含めた地域おこしをしていきたい」と意欲を見せる。
新商品は、個包装タイプ1枚(内容量26ミリリットル)入り「肌嬉フェイスマスクSR」、価格は340円。鳥羽一番街・珍海堂(鳥羽市鳥羽)ほか伊勢志摩の土産店、ホテルショップなど30店舗以上で販売中。