真言宗醍醐派の寺院「潮音山(ちょうおんざん) 太江寺(たいこうじ)」(伊勢市二見町、TEL 0596-43-2283)が10月14日、「伊勢西国三十三所巡礼」を現代風にアレンジした10キロウオーキングイベントを行う。
【その他の画像】「伊勢西国三十三所観音巡礼第一番札所」の「潮音山 太江寺」
フジやアジサイが咲く季節には多くの参拝客を集める同寺。天平年間(729~749年)に行基(668~749年)によって創建されたと伝わる。825年ごろには弘法大師・空海が「朝熊岳(あさまだけ)金剛證寺(こんごうしょうじ)」(伊勢市朝熊町)開創の際に何度も同寺を訪れたとされる。鎌倉初期に作られた秘仏の本尊「千手観世音菩薩(ぼさつ)」千手観音坐像(ざぞう)は国の重要文化財に指定。「三重四国八十八カ所第八十五番札所」「伊勢西国三十三所観音巡礼第一番札所」。客殿では宿坊(ユースホステル)も運営する。
同巡礼のコースは、「伊勢西国三十三所観音巡礼」一番札所の同寺をスタートし、猿田彦(さるたひこ)大神を祭り夫婦(めおと)岩のある「二見興玉神社」、伊勢神宮内宮(ないくう)所管社で神宮の祭典で使う塩を焼き固める「御塩殿神社」、神宮の塩を作る塩田「御塩浜」、五十鈴川の岸辺にある巨岩「破石(われいし)」、伊勢神宮内宮末社で農耕の神・稲依比女命(いなよりひめのみこと)を祭る「加努弥(かぬみ)神社」、行基により712年創建、「十一面観世音菩薩」を祭る同巡礼三番札所の「龍池山 松尾観音寺」までの約10キロをウオーキングして巡る。
同寺院役僧の星野研至さんは「平安時代に始まり1000年以上の歴史がある『伊勢西国三十三所観音巡礼』は現在、文化庁の『日本遺産』認定を受けようと登録に向けての運動が始まっている。国立研究開発法人産業技術総合研究所(東京都千代田区)の『お遍路の研究』によると、『歩いて回るお遍路(祈りを通して歩くこと)』が心と体の健康に効果的だという科学的な研究も行われている。悲しみや苦しみ、人生の迷いなどの精神的苦痛を和らげてくれる効果にも期待されている」と説明する。
星野さんは「まずは、みんなで一緒に楽しく巡礼できれば。お堂の前ではお経を読み、ごみが落ちていたら拾いながら歩く。目指すゴールの松尾観音寺には12時ごろの到着予定。伊勢神宮や名所を案内する有償ガイドツアーを企画する『伊勢むすび工房』のメンバーも一緒に参加して案内してくれるので、知的好奇心も刺激されるはず。初回で募集人数を抑えたが、まだ募集中なので、ぜひ体験してもらえれば」と呼びかける。
当日は、7時30分集合(太江寺本堂前)、8時出発。雨天中止。参加費は100円(御朱印は各寺300円)。定員は約30人。応募締め切りは10月7日。