暮らす・働く 学ぶ・知る

志摩の高校に期日前投票所設置 高校生が投票、立会人も「一票に日本託す」

志摩の高校に期日前投票所設置 高校生が投票、立会人も「一票に日本託す」写真は水産高校

志摩の高校に期日前投票所設置 高校生が投票、立会人も「一票に日本託す」写真は水産高校

  • 2

  •  

 志摩市選挙管理委員会が志摩高校(志摩市磯部町)に7月11日、水産高校(同志摩町)に同14日、18歳になった高校生に第27回参議院議員通常選挙への投票をしてもらおうと、それぞれ期日前投票所を設置した。

18歳になった高校生に選挙を 志摩高校は4人、水産高校は14人が対象

[広告]

 志摩高校では高橋幸来(ゆらい)さんと助田真音(すけだまなと)さんが、水産高校では川瀬斗嵐(とらん)さんがそれぞれ立会人に名乗り出て、投票を見守った。志摩高校では、既に期日前投票を済ませた助田さん、高橋さんとほかの2人も親と選挙に行く約束をしているため、教師や事務員ら計8人の投票はあったが、高校生による投票はなかった。水産高校では川瀬さんを含む計4人の高校生と高等専門学校の19歳の学生1人に、教師や一般市民を合わせた26人(高校生含む)が投票した。

 同市は2015(平成27)年6月19日公布、2016(平成28)年6月19日施行の改正公職選挙法により選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受け、翌年の2017(平成29)年10月22日の衆議院議員総選挙・志摩市議会議員選挙から両校で期日前投票を行い、高校生に政治への関心を高め選挙への参加を促している。今回で9回目を数える。昨年10月27日の衆議院議員総選挙では両校合わせて8人、2022年7月10日の参議院議員通常選挙では13人の高校生が、それぞれ期日前投票を行った。

 今年は、第1回衆議院議員総選挙が実施されてから135年、男子普通選挙100周年、女性参政権80周年、選挙権年齢が18歳に引き下げられてから10年を迎える節目の年。総務省によると、期日前投票は、選挙期日(投票日)に投票所に行けない人が、選挙期日前に投票する方法。期日前投票を行った後に他市町村への転出や死亡等により選挙権を失っても投票は有効。一方、不在者投票は、選挙期日(投票日)または期日前投票所に行けない人が、選挙期日前に選挙管理委員会や指定病院等の施設など、投票所以外の場所で投票する方法で、専用封筒に投票用紙を入れ封をし、その封筒を選挙人名簿の登録地の選挙管理委員会に郵送することにより投票。不在者投票を行った後に、死亡等により選挙権を失った場合はその投票は無効となる。

 法律では年齢計算は出生日を初日に算入するため、今回の選挙当日の7月20日の後の21日の誕生日の人までが18歳として認められる。しかしながら公職選挙法では、期日前投票については「選挙の当日」ではなく「投票の当日」に選挙権があることが要件となるため期日前投票を行う日が17歳の場合は投票することができない。不在者投票は封筒に入れ選挙当日に開封し投票を受理(不受理)するため、その時点で17歳であっても「選挙の当日」が18歳もしくは7月21日が誕生日の17歳であれば不在者投票を行うことができる。

 今回、志摩高校で選挙権を持つ生徒は4人(全校生徒91人、うち3年生34人)、水産高校(全校生徒154人、うち3年生45人)は14人だった。

 水産高校社会科教師の関本陸人さんは「自分たちで政策を考えさせたり、架空の選挙をしてみたり、政治、選挙について考える授業を行った。どの党に入れるか、どの立候補者に入れるか、インターネット、SNSだけでなく、テレビや新聞などさまざまな情報を能動的に取りに行って一票を投じることが大切だと話した」と話す。

 助田さんは「親と期日前投票に行ったが、初めてだったのでとても緊張した。地域のために何か役に立ちたいと思いボランティア部に入っている。今回立会人を経験して、選挙のハードルが低くなった」と感想を述べる。

 川瀬さんは「『この一票で日本が決まる』と思うと、とても重みを感じ、字も丁寧に書いた。関本先生の授業で選挙に行かないと、この国は変わらないと思った」と思いを込める。

伊勢志摩経済新聞VOTE

現在お住まいはどちらですか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース