
「水と光と音のまつりin伊勢」実行委員会が9月14日、「ヤマト民族の源流とこれからの生き方」をテーマにした講演会をシンフォニアテクノロジー響きホール伊勢(伊勢市岩渕)大会議室で開いた。
「水と光と音のまつりin伊勢」重岡昌吾さんと赤塚高仁さんの講演会
温浴施設「天然温泉 ゆの里」、水の研究を行う「ゆの里アクアフォトミクスラボ」(以上、橋本市)代表の重岡昌吾さんと津市出身で「お父さん、日本のことを教えて! はじめての日本国史」「あなたに知らせたい日本という希望」などの著書を持つ作家で講演家の赤塚高仁(こうじ)さんがそれぞれ講演し、その後2人による対談が行われた。
重岡さんは「みずから学ぶこれからの生き方」と題して水についての最新科学の研究結果を元にわかりやすく解説。「アクアフォトミクスは2005(平成17)年に神戸大学のツェンコヴァ・ルミアナ教授が発表した研究分野。アクアは水、フォトは光、オミクスは科学分野を意味し、水と光の関係性を読み解こうとする研究。遺伝子の周りは全て水なので、ゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクス、メタボロミクスなどの分野で水を通して科学する研究が世界中の科学者に広がってきている。物質を取り巻く水にフォーカスすることがアクアフォトミクスの考え方で、その研究が日本から始まったということ。水の研究者にはヨーロッパの人が多い。ツェンコヴァ教授は『水を学びたかったら日本においで。日本に来て日本の伝統文化に触れるといい。そこには水の知恵がいっぱい詰まっているから』と言ってくれている」と説明する。
赤塚さんは「歴史家のアーノルド・J・トインビーは『自国の神話や民族の歴史を学ばなくなった民族は100年以内に例外なく滅びている』と言う。戦後日本は、国の歴史を教えられなくなってしまった。42歳の時、アメリカ留学から帰国した娘に日本のことを何も知らず恥ずかしい思いをしたので『お父さん、日本のことを教えてほしい』と言われたが何も教えることができなかった。日本のことを知らない自分に気が付き、その時から日本のことについて勉強した。日本は世界で最も古い歴史を持つ国」と話す。
2人の対談では2019年、赤塚さんと共にイスラエルを訪問した時のことを重岡さんは「ヨルダン川に足を入れてみたところ不思議な感覚になり、涙が溢れてきた。後日、ツェンコヴァ教授にその体験を伝えるとすでに水を調べていてその内容を聞き納得した」。赤塚さんは「重岡さんたちの研究から『水が情報を運ぶ』ということを聞き、イスラエルのガリラヤ湖の水を触った瞬間に、時間や空間を超えて聖書に書かれたことが目の前に見えたような体験がとてもふに落ちた。頭で覚えている記憶は妄想でありドラマだと思った」とそれぞれの体験談を打ち明けた。
水と光の関係性を伝えようと取り組む同委員会が主催する講演会第3弾。1回目は重岡さんと哲理学作家で音楽家のさとうみつろうさん、2回目はドキュメンタリー映画「Pale Blue Dot 君が微笑めば、」の上映会と西嶋航司監督と同映画にも出演する重岡さんがそれぞれ登壇した。
主催者の三浦知倖(ともこ)さんは「私たちの体は99%が水分子でできていて、宇宙空間も水分子であふれていて、全ては水でつながっている。水の振る舞いをみると、命の仕組みがよく理解できる。命に水は欠かせない存在で、日本の先祖はよく知っていて生きる知恵として生活に取り入れていた。現在の人はその水の働きを忘れてしまっているのだと思う。もう一度、最先端の水の研究からわかってきたことを通して、私たちの先祖が伝えてきてくれている英知を思い出すきかっけとなれば」と話す。