皇學館大学・佐川記念「神道博物館」(伊勢市神田久志本町)2階第2展示室で現在、伊勢神宮祭主を務め皇学館大学創設者の久邇宮朝彦親王(くにのみやあさひこしんのう)の家に伝わる至宝を展示する企画展「久邇家の至宝 昭和百年をむかえて」が行われている。
伊勢・神道博物館で企画展「久邇家の至宝」 貴重な扇形のボンボニエール
久邇宮朝彦親王は久邇宮初代当主で日本の皇族。香淳皇后(昭和天皇后)の祖父であり、第125代天皇の上皇さまの曽祖父、第126代今上天皇陛下の高祖父に当たる。第2代当主の邦彦王(くによしおう)は香淳皇后の父、第3代当主の朝融王(あさあきらおう)は香淳皇后の兄。1947(昭和22)年に皇籍を離脱し、現在の第4代当主の久邇邦昭(くにくにあき)さんは上皇さまのいとこで1990(平成2)年から2001(平成13)年まで伊勢神宮の大宮司を務めた。現在の大宮司=久邇朝尊(あさたか)さんは邦昭さんの長男で今上天皇のはとこに当たる。
同館は、神道と神社の紹介を通して、日本の文化、歴史、伝統、信仰、思想などの様子を伝えることを目的に1992(平成4)年10月26日に開館した皇学館大学附属の博物館施設。同展では同大学と縁の深い久邇家に伝わる品々16点を展示する。
同大研究開発推進センター神道研究所准教授の佐野真人さんは「久邇宮朝彦親王が実際に使用された京都粟田焼の急須や邦彦王が使用された硯(すずり)箱などを展示する。皇室の慶事等で記念品として贈られる砂糖菓子を入れたボンボニエールについては5点をお借りして展示する。中でも久邇邦昭ご夫妻ご成婚記念の際の菊花紋の下で仲むつまじく優雅に泳ぐオシドリが施された扇形のボンボニエールはとても貴重。上皇さま上皇后さまのご成婚記念のボンボニエールも展示する」と説明する。
同大研究開発推進センター准教授で同館学芸員の浦野綾子さんは「久邇邦昭さんに直接話を伺い、貴重な品をお借りしてきた。久邇家についても詳しく載せた当展の冊子(36ページ)は入館者には無料で差し上げているので、気軽にお越しいただければ」と呼びかける。
開館時間は9時30分~16時30分。日曜休館。入館無料。12月20日まで。