おかげ横丁内で陶器や漆器などを販売する「他抜き だんらん亭」(伊勢市宇治中之切町)で現在、志摩市在住の陶芸家・高橋武男さんの作陶展が開かれている。1月12日まで。
「マツカサウオのカップ」志摩市の陶芸家・高橋武男さんの作陶展
1948(昭和23)年に桑名市で生まれた高橋さんは、少年時代を伊賀上野で過ごし、伊賀焼に触れたことがきっかけで陶芸家となった。1981(昭和56)年に風光明媚(めいび)な志摩の自然に魅せられ志摩市に移住し、横山の麓に「風門窯(ふうもんがま)」を構えた。
作陶展には、大皿、小皿、丼や茶碗、コーヒーカップや湯呑みなど日常使いの陶器のほか、花器や茶道で使う水差しなどの作品が並ぶ。
高橋さんは「食べてもおいしく見た目もきれいなヒオウギ貝や春先に志摩の浜辺に自生するハマダイコンの花をあしらった器は、伊勢志摩の自然や風土から着想を得て、土に思いを込めて焼き上げた。本物のマツカサウオの顔から型を取ってカップに取り付けた作品は男性に人気が高い。マツカサウオは、金色で松笠のような姿が縁起が良いとされ、乾燥させたものを神棚に飾る風習は日本各地にある。志摩市の安乗神社でも祭典の奉納品として貴重な魚だった」と話す。
日本橋にある三重県のアンテナショップ「三重テラス」(東京都中央区)のレストランでは伊勢うどんを提供する際、高橋さんが焼いた3種類の丼「ハマダイコン」「ヒオウギ貝」(以上5,500円)、「伊勢エビ」(6,600円)を使い、「三重テラス」のショップでも販売する。
高橋さんは「僕の焼いた丼に伊勢うどんを盛り付けるとおいしく見え、実際に普段使っている丼で食べるよりもおいしく感じるのだという。そのおかげか、購入したいとリクエストをもらい三重テラスのショップでも販売することになった。今回の作陶展でもその丼を用意した。作品を通して伊勢志摩を感じてもらえる機会になれば」とも。