三重県地球温暖化対策課が2月9日、四郷小学校(伊勢市楠部町)6年生児童24人にコンピューターゲームを使った地球環境教育授業を行った。
俳優の植木等さんの母校「四郷小学校」でゲームを使った地球環境教育授業
2050年までに県域からの温室効果ガスの排出実質ゼロを目指す「ミッションゼロ2050みえ」を宣言する三重県が、子どもたちにどのように地球環境意識を高め、行動に起こしてもらえるようになるかを調査するのが今回の授業の主な目的。「ロブロックス(Roblox)」プラットフォーム上に、「みえデコビルダーズ」という名のゲームを作り、そのゲームで遊ぶことで目標達成を目指す。
「ゲーム版ユーチューブ」「メタバース・プラットフォーム」といわれるロブロックスは単一のゲームではなく、世界中のユーザーが作った数千万以上のゲームを自由に遊んだり、自分でも作れたり、仲間とつながったりすることができる巨大なオンラインプラットフォーム。
ゲスト講師に、ベネッセ教育総合研究所(東京都多摩市)教育イノベーションセンター主席研究員で東京学芸大学女子ラクロス部監督(U-21、U-19の女子ラクロス日本代表監督歴任)の庄子寛之さん、小学館「コロコロコミック」副編集長の小林浩一さん、「みえデコビルダーズ」のゲーム開発者でゲームクリエーターの紫垣健太郎さんを招いた。
庄子さんが授業の目的や遊び方を説明した後、児童たちは3組に分かれてゲームをスタート。3台のモニターに「みえデコビルダーズ」の画面が映し出されると教室に、「ロブロや」「ロブロや」と既にロブロックスで遊んだことのある子どもたちから歓声が湧き上がった。
「みえデコビルダーズ」では、仮想空間(三重県内の架空の街)内にたくさんごみが落ちていて、それを拾うとエコポイントがたまり、エコポイントがたまるとさまざまなエコ商品と交換できる。地球温暖化の危機が迫ると「Co2ドラゴン」が現れる。仲間とポイントを出し合って「Co2ドラゴン」を倒すことで、多くの人とチームで関わることの大切さを知る。高額なエコ商品を購入するには国、県、市にそれぞれ「補助金」が用意されており、エコポイントを多く獲得しているユーザーは環境意識が高いと認められ、補助金申請することができ、高額なエコポイントを獲得できる仕組みも取り入れた。
児童たちは、ゲームを始めるとすぐプレー方法に慣れ、時に大声で叫んだり笑ったりしながら授業を楽しんだ。補助金の活用方法も理解した児童たちは、プレーしている友達に「補助金、補助金使える」「補助金使えば家が買える」などと補助金申請を促し、補助金を連発。補助金を駆使しながらエコカーやエコ住宅を購入した。
三重県「みえデコビルダーズ」プロデューサーの渡邉賢一さんは「やはり今の子どもたちにはゲームとの親和性が高い。詳しく説明しなくても、すぐに内容を理解してくれたのには驚いた。仲間と一緒にチームでごみ拾いをすることの大切さにも気が付いてもらえたと思う」と振り返る。
中西康之校長は「2022年の卒業生が1年間、地域内のごみ拾いをしようと取り組み、やり遂げた。やり続けていると、地域に住む大人たちが見ていて感心に思い、『四郷地区まちづくり協議会』の人たちがのぼりを作ってくれて、町中にのぼりを立ててごみのポイ捨て禁止の啓発、児童たちの活躍を見守ってくれたことがあった。今回の授業が児童たちに今後どのようなきっかけを与えてくれるか、とても楽しみにしている」と期待を寄せる。
同クラスでは児童の3分の2がロブロックスで遊んだことがあったが、ゲームを作ったことがある児童はゼロ、ゲームを作ってみたいと思っている児童は数人だった。