南伊勢町の山の一部分だけが黄色く染まり、黄色の大きな「絨毯(じゅうたん)」のように四角模様ができている。
「大きな絨毯」の所有者は城者親生さん。ミカン農家だった城者さんのミカン畑に防風林として植えたイチョウの木が、最近の気温低下によって葉が一気に黄色く染まったためだ。
1959(昭和34)年から2001(平成13)年までの期間、南伊勢町の特産品でもあるミカンの栽培を行っていた城者さんが今から約20年前、イチョウ並木で有名な伊勢神宮工作所(伊勢市宇治館町)のギンナンを拾い集め苗を作って植えたのが始まり。
せっかく植えるのだからいい木になるようにと、ギンナン生産で日本一の愛知県・祖父江町のイチョウの穂木を譲り受け、接ぎ木し大きくなった。当時約1,000本の苗を植え、現在約200本のイチョウが大きく育ち、昨年から実を付けるようになったという。
城者さんは「昨年は約150キロのギンナンを拾った。今年も同じくらいの収穫になるかな(笑)。ほとんどのギンナンは友人や親戚に貰ってもらい、『酒の肴に最高だった』と喜んでもらっている」と話す。「イチョウは公孫樹とも書くからワシの孫が大きくなるころにはもっとたくさんギンナンが実を付けてくれるとうれしい」とも。