伊勢の伝統薬の販売などを手がけるベンチャー企業=パイン・メディテック(伊勢市朝熊町)は12月29日、600年以上前から伊勢参りの土産物として重宝されてきた伝統薬「萬金丹(まんきんたん)」に注目し、アメ菓子「萬金飴(まんきんあめ)」を商品開発し、テスト販売に乗り出した。
おかげ横丁赤福本店の隣、山中ハート薬局の軒先にて「萬金飴」を販売。
「萬金丹」は古典落語や「越中富山の反魂丹(はんごんたん)、鼻くそ丸めて萬金丹」という俗謡でも親しまれ、荷物にならず実益ある薬として、伊勢参りの土産物として全国に広まった。江戸時代には万能薬、主に胃腸薬として、旅人の常備薬だったという。
新発売の「萬金飴」は、「萬金丹」の商品、歴史に注目し、観光客などに気軽に購入してもらえるように、黒糖風味に仕上げたアメ菓子=キャンディー。「萬金丹」の主要成分であるカンゾウ、アセンヤク、ケイヒを配合し、1個395円で販売。
同社の加藤宏明社長は「昔から伊勢の地は『漢方』の先進的地域で、薬草の種類も200種を数えると言われている。昔ながらの伝統薬が新しい形で注目されれば」と話す。
2009年1月中は、おかげ横丁・山中ハート薬局(同市宇治中之切町)前で販売予定。営業時間=10時~17時。