賢島旅館組合、同商店会、代々木高校、グローブ・データ(共に志摩市阿児町賢島)の4者は10月12日、賢島全域を無線LANによるインターネット接続可能な環境にしようと、代々木高校の教室で機器設置の説明会を開催した。
周囲約7.5キロ「賢島」は1929年頃、「海の軽井沢」として近鉄が中心になり開発された。島内は自然豊かで緑も多く、1973年に映画化された山崎豊子さんの「華麗なる一族」の舞台にもなった「志摩観光ホテル」が立地する。
4者は「賢島全島無線LAN大作戦(AGO WAN YOU LAN)」と題し、同島のどこにいても自由にインターネットに接続できるように、フリースポット協議会(名古屋市南区柴田本通4)の協力を得て無線LANルーター20台を設置するという。
11月3~5日に開催され宮里藍選手も参加する全米女子プロゴルフ協会公式戦の「ミズノクラシック」や、同8~9日に開催される「伊勢志摩国立公園指定60周年、第48回自然公園大会」を前に観光客への利便性を高めるため、大会に間に合うように準備を進めてきた。
第1段階では、どこでもインターネットに接続できるインフラを整備し、第2段階ではニンテンドウDSなどを利用した子ども向けのイベントの開催、第3段階では英虞湾の中で真珠養殖や漁業などの地場産業へ活用できる仕組み作りなどを計画している。
「代々木高校」一色真司校長は、「賢島の自然豊かな環境は教育の場として最高。さらにインターネットに接続できる環境が校舎外にもできればいろんな可能性が見出せる。生徒と一緒に何かできれば」と話している。また、「賢島ファミリーホテルはな屋」西飯弘社長は、「旅館にカラオケがあるのが当たり前だったように、これからはインターネットに接続できる環境があることが当たり前。この事業は、各施設が協力し低コストで全島でインターネットが使えるようにするのが目標。点から面へ展開する成功モデルを賢島で作れれば」と話している。