400年以上伝承されている国の重要無形民俗文化財の人形芝居「安乗文楽(あのりぶんらく)」特別鑑賞会と、約300人分の天然トラフグ「あのりふぐ」を振る舞う「ふぐ祭と安乗文楽鑑賞会」が10月25日、安乗神社(志摩市阿児町)境内と安乗崎灯台周辺で開催された。主催は安乗岬旅館組合(阿児町)。
ふぐ汁、ふぐ飯、ふぐのから揚げの3品が付く天然のトラフグ料理。安乗灯台が見える公園で
同イベントは、同地区の伝統芸能の人形芝居「安乗文楽」の特別上演会と三重ブランドに認定された天然のトラフグ「あのりふぐ」のPRを兼ねた試食会。訪れた観光客は安乗文楽を鑑賞した後、ふぐ汁、ふぐ飯、ふぐのから揚げの3品が付く天然のトラフグ料理に舌鼓を打った。
安乗文楽は、約400年以上伝承されている人形芝居。九鬼水軍を率いた武将・九鬼嘉隆が、八幡宮(現在の安乗神社)に祈願して「文禄の役」(1592年)に戦功を得た礼として村民に人形芝居を許したものと言い伝えられているが起源は定かではない。1980(昭和55)年に国の重要無形民俗文化財の指定を受ける。
「あのりふぐ」は、伊勢湾を含む遠州灘から熊野灘にかけての海域で漁獲される体重700グラム以上の天然トラフグのこと。「あのりふぐ協議会」(志摩の国漁協安乗支所内)をいち早く立ち上げ、商標なども管理し、天然トラフグのブランド化に成功し年々人気が上昇している。あのりふぐ漁が解禁となった今月1日には、約12,000匹、約10トンの水揚げがあった。