チュニジア共和国のヌルディ-ン・ハシェッド特命全権大使が6月14日、伊勢市を訪問し、伊勢神宮やおかげ横丁などを視察した。16日まで滞在する。
伊勢の老舗かまぼこ店「若松屋」でかまぼこ作りを体験チュニジア大使
同国はアフリカ大陸・北アフリカの地中海に面し、西にアルジェリア、南東にリビア、対岸にイタリアと接し、人口1,043万2,500人(2009年)、面積16万3,610平方キロメートル(日本の約5分の2)の国。オリーブオイルの生産では欧州連合に次いで世界第2位。代表的なチュニジア料理はクスクス。
ハシェッド大使は鈴木健一伊勢市長を表敬訪問した後、伊勢神宮内宮を正式参拝しおはらい町、おかげ横丁周辺を視察散策した。おかげ横丁では五十鈴茶屋やおかげ座に立ち寄り、江戸時代末期の伊勢参りについて興味を示した。神棚・神具の製造販売する「宮忠」の店頭にあったデザートローズ(メキシコ産)を見て「チュニジアのサハラ砂漠にもたくさんある。しかもフリー(無料)だ(笑)」と笑いを誘った。
また、宇治橋の上に立ったとき山にかかる霧を見て、「あの霧は宇宙とつながっているに違いない。だから、ここ(伊勢)に神が宿っているのだと思う。とても不思議なパワーを感じる。最高な気分」と感極まった様子で感想を漏らした。
その後、伊勢の老舗かまぼこ店「若松屋」(伊勢市下野町)河崎本店でかまぼこ作りを体験。「父も祖父も漁師だったので魚を見るのは珍しくないが、生まれて初めてかまぼこ作りを体験して、とても楽しく、しかもおいしくて感動した。チュニジアは地中海に面して新鮮な魚が取れるので、ぜひともかまぼこの生産工場を作り、ヨーロッパで販売しては?」(ハシェッド大使)とアピールも欠かさなかった。
15日は三重県知事を表敬訪問、神宮徴古館などの見学、皇學館大学生との交流など、16日は伊勢神宮外宮参拝、相可高校の高校生が運営するレストラン「まごの店」で昼食の後、斎宮歴史博物館などを見学する。