世界で始めてウナギの完全養殖に成功した水産総合研究センター(神奈川県横浜市)のこれまでの研究成果を紹介する特別展示「世界初の完全養殖ウナギはこうして生まれた」が10月8日、志摩マリンランド(志摩市阿児町神明、TEL 0599-43-1225)で始まった。
体長2.67メートルのリュウグウノツカイの仲間「サケガシラ」の巨大標本。形はレプトセファルスに似ている。
いまだに生態がわかっていないウナギのふ化直後約3ミリの仔魚(しぎょ)=「レプトセファルス」の標本は虫眼鏡を取り付けなければわからないほど小さく、体長2.67メートルのリュウグウノツカイの仲間「サケガシラ」の巨大標本の隣に、対照的に展示している。
人工ふ化したウナギを親として、その親のメスの卵にオスの精子を人工授精させふ化した完全養殖ウナギが今年3月27日、世界で初めて誕生した。同研究は、同センターの長年の夢で目標だった。その後、8月5日には仔魚から稚魚「シラスウナギ」に育った。南伊勢町の養殖研究所と志布志栽培漁業センター(鹿児島県)で今も研究は続けられている。
今回の展示では、世界初の完全養殖ウナギの仔魚標本やこれまでの研究の道のりをパネルでわかりやすく紹介。9日・10日には生きたレプトセファルス2匹も展示した。来館者は「(テレビの)ニュースで見た~」「小さいね~」などと関心を示していた。
同館では11日、名古屋で始まった生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に関連した「日本の希少魚と外来生物」の秋季特別展も始まった。
開館時間は9時~17時。入館料は、大人=1,250円、中高生=700円、小学生=500円、幼児(4歳以上)=300円。11月30日まで。