広域通信制高校「代々木高校」（志摩市阿児町賢島）の入学式が4月16日、「志摩マリンランド」（同）エントランスのペンギン水槽の前で行われた。

ペンギンが泳ぐ水槽の前で入学式「代々木高校」

　チャプチャプと音を立てながら、時折水しぶきが立つペンギン水槽前での同校の入学式。既成概念を打ち破る一つの例として新入生に示すことがねらいでスタートした。今年で3回目になり毎年話題を集めるようになった。入学式は、開校から6回を数える。

　同校は志摩賢島を本校とし東京、名古屋、大阪に本部を置き、全国各地のサテライト校のほかオーストラリアやカナダなど海外でも日本の高校に通える環境を提供する。テニスプロコースやミュージシャンコース、理容・美容コースなど、生徒はその道への近道となるように「やりたいこと」を職業別に学ぶことができる。

　入学式には新入生27人中13人が出席、中でも調理人を目指して入学した「伊勢志摩料理人コース」の3人は、料理人としての適正を判断するための「入学試験」を3月22・23日の2日間泊りがけで受け、みごと合格した。「入学試験」は、一般的な面接と学力テストのほか、あいさつ、その日の夕食のカレー作り・後片付け、衣類の洗濯、風呂・トイレ・部屋の掃除、起床などの適性検査を設けた。

　同校校長の一色真司さんは「料理人コースの生徒は親から離れ、地元のホテルや飲食店に住み込みもしくは自炊しながら高校生活を送らなければならないため、通常の高校生とは違い『自立』が特に要求される。宿泊施設では客に朝食を出すために早朝から仕事をしなければいけないため、朝の起床は『入学試験』の重要な要素」と話す。

　同校全体では今年228人が入学、現在全校生徒764人となっている。また東日本大震災で被災した高校生に対して、1年間の学費免除や志摩市と連携した無償住宅の提供など積極的に受け入れ活動を実施している。