真珠いかだ浮かぶ英虞湾を取り囲むような地形の志摩市内の海と山を2日間かけ歩く「伊勢志摩ツーデーウオーク」が5月21日・22日、延べ3,266人が参加し開催された。
同市は、万葉集に伊勢神宮や朝廷に海の幸を献上する地として「御食つ国(みけつくに)」と歌われ、黒潮踊る太平洋や波静かな英虞湾と的矢湾、神宮林の育つ島路山やリアス式海岸特有の地形など豊かな自然が残る。1946(昭和21)年には伊勢志摩国立公園として指定を受けた。
同大会は、その地域環境を生かし10・20・30・40キロのコース計8コースを設定。21日はミシュランガイド「グリーンガイドジャポン」1つ星獲得・英虞湾を一望できる横山展望台(標高203メートル)まで歩く「里山コース」が、22日は大王崎灯台や麦崎灯台などが目に飛び込む海岸線を歩く「シーサイドビューコース」が取られた。22日の10・20キロコースには、英虞湾を船で移動するコースも設定され、参加者は大いに楽しんだ。
大会会長の大口秀和志摩市長は21日20キロコースを、作家の井沢元彦さんは22日10キロコースをそれぞれ完歩した。同大会は、日本ウオーキング協会(東京都文京区)傘下の東海・北陸7県で組織する「東海・北陸リーグ」の公式大会として、国際市民スポーツ連盟認定大会として認定された。同リーグの伊藤秀次郎会長は「ウオーキング人口は年々増加している。埼玉県東松山市で開催される『日本スリーデーマーチ』は述べ8万人を集めるほど。ウオーキングは健康づくり、環境づくり、地域との交流に最適」とウオーキングの魅力を説明する。
同実行委員会の山崎昭委員長は「継続していき、4月にはハーフマラソン(志摩ロードパーティ)、5月にはウオーキング(同大会)として多くの人に知っていただけるような大会にしていきたい」と話す。志摩市観光戦略室の水口良之さんは「(大会終了を受け)課題は山のようにあるが、第1回としては成功だったと思う。船を活用するなど地域色も出し、志摩の里山・里海のコースをアピールできた。8,000人規模の大会にまで大きくしていきたい」と意欲を見せる。
開催当日は、「今、できることを!がんばろう日本」というメッセージを込め、参加者や大会関係者らに募金を呼び掛け、大会収益金の一部と合わせて東日本大震災被災地への義援金として寄付した。