陸上自衛隊明野駐屯地・航空学校(伊勢市小俣町)で10月30日、同地開設56周年・同校創立59周年を記念する航空祭が開催される。
福島原発放水活動で活躍した同型のヘリコプター「チヌーク」が上空を飛ぶ
同祭は、戦闘ヘリコプター「AH-64D(アパッチ)」、対戦車ヘリコプター「AH-1S(コブラ)」、多用途ヘリコプター「UH-60JA(ブラックホーク)」「UH-1J(ヒューイ)」、観測ヘリコプター「OH-1(ニンジャ)」、輸送ヘリコプター「CH-47JA(チヌーク)」など陸上自衛隊が保有するほとんどのヘリコプターを目の前で見ることができることから「日本一のヘリコプターの祭典」と呼ばれ、毎年1万人以上の家族連れや航空ファンなどでにぎわう。
東日本大震災が発生し、自衛隊のヘリコプター部隊による救助活動で多くの命が救われたことは記憶に新しい。同校の訓練を受けパイロットとなった隊員によるものであることは周知の事実。パイロット以外、ヘリコプターの整備や管制指令など見えないところでも同校の出身者や同地所属の隊員が大いに活躍した。
1993年に同校で学び、今年4月から航空学校長兼明野駐屯地司令となった陸将補の金丸章彦さんは、地震発生2日目から東北方面総監部航空統制所長、JTF-TH(ジョイント タスク フォース東北)が編成された3月14日以降は統合航空統制所長として、陸上・海上・航空自衛隊を含む300機以上の航空機の飛行統制を行う最高責任者として、航空安全を保つと共に救出、人員、患者、物資などの空輸活動に当たった。さらに、東京電力福島第一原子力発電所3・4号機上空からのチヌーク2機による空中消火活動の指揮も執った。
同祭では、観閲式、飛行展示のほか、音楽隊演奏、フライトシミュレーター、ナイトビジョンゴーグル体験やチヌークへの体験地上滑走試乗(先着1000人)などを展開。航空自衛隊ジェット機T-4よる飛行展示も予定している。
同地広報班の神田隆司さんは「隊員は、東日本大震災への救助活動のみならず、先日の台風12号による災害救助活動で紀宝町や和歌山県へも派遣されている。日頃の隊員の訓練の成果を見ていただければ」と話す。
開門=8時、記念式典・観閲式=10時~、飛行展示=10時45分ごろ~。入場無料。近鉄明野駅から無料シャトルバスを運行する(8時~)。